甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

1日県境三峠越えその2 2級山岳鳩峰峠

この日のトリは名高き酷道399鳩峰峠です。生憎福島県側が工事なので、飯坂温泉まで降りることはできませんが、ここは蔵王エコーラインと並ぶ今回の帰省の自転車的2大目標でした。

 

R399 2級山岳鳩峰峠

高畠町大町226m-最高点793m(+567m)-高畠町大町226m

ja.wikipedia.org

上記起点から3km起点程進んだところですが、峠まで8km・「福島県通行止め」の表示。峠から下った先のダム周辺の土砂崩れの復旧工事だそうです。

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1〜1.5車線の道は激坂という程ではないですが、急坂がずーっと続きます。フロントはほぼ終始インナー39コマで、アウターに上げる機会がありませんでした。それよりも落ち葉や枝、出水で路面が荒れているところが多く、下りはとても飛ばせませんね。

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途中峠を見上げる箇所がありました。

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まだ結構あるな…。

終盤に掛けて激坂が頻出し、リアも9s23コマまで落としたことが数回。

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頭の上に掛かる木がなくなって明るくなり、コンクリートの法面が見えて斜度が緩むと、間もなく鳩峰峠に到着です。

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起点から12km、52分のヒルクライムでした。すれ違ったのは、本格坂道が始まってすぐ1台、ゴール500m程手間で1台、僅か2台の自動車だけでした。

今日は下ることができない福島側。深い山の中に分け入ってくる感じで、向こうから登ってきた方が面白そうです。
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尤も通行止めの理由はダム周辺の土砂崩れの復旧工事なので、ダム手前までの10kmくらいは下れるのかも知れません。もうここで13時なので時間的にやりませんが、1回は飯坂温泉まで下ってみたいんですけどね。

浜田広介の碑。
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カヤトの尾根の先は龍ヶ岳934m。
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トレランシューズなら10分くらいで上がれると思いますが、ロードバイク用のビンディングシューズ履いて高価なSK Pininfarina Diskを置いて登ってくるのは無理です。

足元。

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米沢盆地(北の方なので米沢市は写っていないと思いますが)。
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サドル上の三角形は朝日連峰祝瓶山
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さて、出発しましょう。
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起点まで12kmのダウンヒルですが、登りの写真のとおり路面が悪かったので、飛ばせませんでした。

 

上の8km標識の手前に「町民の熱い期待高まる!国道399号早期改良実現」という立て看板がありました。

イラネ。

鳩峰峠起点と二井宿峠起点はすぐ近くだし、鳩峰峠終点の福島市飯坂温泉にはR13の方がアクセスいいです。ここを改良する必然性がさっぱりありません。米沢を嫌いな高畠人が米沢を通りたくない気持ちがあるぐらいなもんですね。

 

あとは約15kmで50m登るだけの概ね平坦な道を実家まで帰るだけですが、最上川夏目橋手前の温度計は「32℃❗️」でした。そりゃ暑いわな。東京もこの日は30℃になったそうですが、30℃環境では乗らないようにしていたのに、9月になって、秋が始まった田舎で30℃は想定外でしたな。

 

いっとき吾妻山が見えた7日火曜日ってのがありましたが、この日は栂峰↓、

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吾妻山↓、背後だったので写真にしませんでしたが、蔵王までよく見えました。
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帰省7日目にして初めてです。でもこの日も飯豊山大朝日岳は見えませんでした。

 

【Runmeterによる走行データ】

スタート: 9時19分
バイクタイム: 4時間08分19秒
停止時間: 44分25秒
距離: 108.52km
平均スピード: 26.22km/h
最高スピード: 58.99km/h
登り: 1,264m
降り: 1,276m
消費エネルギー: 2,985kcal

 

100km走って1,200m登るなんてのは個人的には初めてでしたが、普通に余力をもって14時15分に帰宅しました。

これで県南東側の峠は大体墜としました。更に鳩峰峠と栗子峠の間に、昔の間道だったらしい「豪士峠」(国土地理院地図に載っている)と「中ノ沢峠」(国土地理院地図に載っていないがこっちの方が整備されているらしい)ってのがありますが、これは普通にトレッキングコースで、ロードバイクでは無理です

あとは山形市の旧笹谷峠ですな。オートバイのローリング的には、県南部からアクセスするルートとしては西吾妻スカイバレー(福島側)、蔵王エコーラインと肩を並べるルートですが、学生当時は面倒くさくて行ったことありませんでした。次SK Pininfarina Diskと帰省する時の課題にしとこう。

1日県境三峠越えその1 金山峠・二井宿峠

まだ帰省中の話です。

 

首都圏から山形県南部に、というか旧会津藩から米沢藩に入る街道は、喜多方から入るR121の大峠(新道ができる前は標高1,230m)、先日途中まで登った、裏磐梯桧原湖畔に通じる桧原峠1,100m、福島市からの板谷峠(明治以降R13栗子峠に変わりましたが、旧道最高点は842m)と皆んな厳しい山越えがあります。桧原峠に近い白布峠はもっと高いですが、あれは戦後に開発された観光道路(西吾妻スカイバレー)なので、そうじゃなきゃわざわざあんな高いところを通りません。

 

東京方面に向かいたい人には用がないのですが、観光道路の蔵王エコーライン栗子峠の間にも太平洋側に出る峠が複数あります。折角SK Pininfarina Diskを連れて来たこの帰省、それらをまとめて攻略することとします。

 

本日は9月10日金曜日。気温が上がっています。

9時23分スタートしました。

 

最上川夏目橋から、画面中央の1箇所だけ奇跡的に大きく凹んだところが二井宿峠、多分その左側のピークの裏に金山峠。右の最高点から右に下ってきた平坦部が鳩峰峠です。鳩峰峠は、もっと寄ると人工路盤が視認できます。

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r268 柏木峠

高畠町田沢284m-最高点435m-上山市楢下344m

ja.wikipedia.org

r268は県境を越える峠ではないのですが、火曜日と同じR13で上山市に抜けても面白くないので、このルートを採ることにしました。そもそも隣町ながらR13・JR高畠駅よりも大分奥まっていて、米沢市南陽市ほどの商業施設がない高畠町中心部には行ったことが殆どないので、鳩峰峠、二井宿峠へのアプローチを確認する意図もあります。

R113を二井宿峠に向かって暫く登り、旧道・新道の分岐ポイントである二井宿小学校前で左に逸れます。ここまで約1時間。

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山間の水田が綺麗です。

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総じて勾配は緩いですが変化のあるヒルクライムで、分岐から16分後にトンネル到達。

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荒れた旧道があるらしいですが、私はこのルート、トンネル開通後1度通ったきりだったので、どんな様子かは知りません。

道幅に余裕のある2車線道路で、路面も割といいです。登り基調のトンネルを通って上山に入ってからは分岐まで一直線に急降下した印象でしたが、勾配は寧ろ緩いらしく、意外に時間掛っていました。所要時間、スピードの表示は自粛。

フロントはずっとアウター、丁度いい脚慣らしの登り約150mでした。

 

山形r13〜宮城r13 金山峠

上山市楢下344m-最高点627m-七ヶ宿町追分500m

ja.wikipedia.org

山形藩上山藩が参勤交代で通過した羽州街道を構成する歴史ある峠ですが、現在は山形宮城両県の県道13号として接続しています。 

柏木峠から下ってきて楢下の集落からr13を七ヶ宿方面に右折します。

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集落を抜けると暗い1車線道路になります。峠までカブ1台に抜かれただけで自動車1台も遭わなかったかも。
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コーナーには水が出てセミウェットになっているところも多いです。一部はウェット。

34番(コーナーの数が正確に34個なのではありません)のコーナーを過ぎると、峠が見えてきました。

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ヒルクライム開始から22分、起点から約5kmの金山峠に到着しました。

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本日最初の越境。宮城県七ヶ宿町。

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阿武隈水系白石川の水源があります。「鏡清水」というそうです。
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限りなく細い湧水ですが、給水して次の登りに備えます。

宮城県側は2車線です。県境を越えた瞬間に道がよくなることは、「山形あるある」と言っていいくらいによくあります。今は廃道になりましたが、超絶の酷道121号線旧大峠がまさにそうで、崖から落ちそうなダートの細道を延々登って県境に達すると、突然きれいな舗装道路になりましたからね。

山形側と同じ約5km(標高は160mも違いますが、距離はGoogle Mapで測るといずれも4.8km)、ホントに一直線な道を駆け下り、R113に入りました。

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R113 二井宿峠

七ヶ宿町追分500m-最高点548m-高畠町田沢284m

ja.wikipedia.org

金山峠→二井宿峠の順には意味があります。二井宿峠は新潟と仙台を最短距離で結ぶ交通の要衝です。が、嘗てはこのルートのボトルネックになっていて、大型トラックは栗子峠や笹谷峠(新道)を迂回していました。97年にトンネル2本が繋がるバイパス道路が山形側にできてからは、大型トラックがバンバン通ります。自動車の2台に1台が大型トラックです。長い登り坂トンネルは怖いです。頼まれても通りたくない栗子峠の西栗子・東栗子トンネル程ではありませんが、自転車で通りたいルートではありません。で旧道は通行禁止。おまけに現在は工事中で、第二トンネルは1本まるまる両端の手信号コントロールです。果たして自転車が登り切るまで待ってくれるでしょうか、というか顰蹙ですな。なのでこのルートは、トンネルが下りになる宮城から山形に抜ける方向一択です。

 

そしてその二井宿峠。僅か50m登るだけあって、分岐から6分2.5km、フロントをインナーに落とすこともなく到達しました。

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登る時間6分、その後交互通行待ち4分www。

因みにこれが閉鎖された旧道の入口です。

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綺麗そうなんですけどね。

実際宮城県側から登ってくる方々はもっと下からなんでしょうが、この区間だけで言うと、超絶につまらない峠でした。トンネル内もコンクリート舗装のため振動が大きくてマジ踏みする気にならなかったし。因みに第二トンネルと第一トンネルの間から見える下界はきれいです。まさに東洋のアルカディアです。

 

長くなったので、分割して続きます。

ショートトリップ3日め 銀山温泉観光

銀山温泉の夜が明けると、前日から打って変わって暑くなりました。この日9月9日は晴れ、最高気温は前日の18℃に対して30℃でした。(山形市のデータですが。)

能登屋周辺が銀山温泉の最奥部ですが、その先には銀山川に沿って旧銀山までの散策コースがあります。

所要時間40分、銀山温泉を発つ前に散策してきました。

 

白金の滝(しろがねのたき)、落差22m。

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白金の滝の上流に掛かる「せことい橋」。
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せことい橋から滝方向。

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せことい橋上の籟音の滝(らいおんのたき)。
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サンダル履きの嫁はここで引き返しました。実際銀山跡への登りが始まると急で足元が悪くなります。トレイルランナーの私は駆け上がれないといけませんけども。

延沢銀山坑口。
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坑道の階段。
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延沢銀山中心部(かどうかは知りませんが、見学可能な一番広い場所)になる銀鉱洞。
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これはショートカットコースの入口。
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涼しい坑洞から出て河鹿橋(かじかばし)へ。
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「夏しらず」と呼ばれる涼しい川沿いを下ります。
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せことい橋を振り返ったら、あとは坂を下って温泉街に戻ります。

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能登屋まで帰ってきました。全景。

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玄関。著名な温泉街の中心となる旅館が「秘湯を守る会」会員というのには些か違和感がありますけども。
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振り返って名残を惜しみます。午前中はごみ収集等の関係で、自動車が目に入ります。

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温泉街入口の白銀橋(しろがねばし)から。
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ああ、楽しかった。

母と嫁に孝行ができました。

ここ銀山温泉尾花沢市から実家までは、対面通行による70km/h規制のため高速で走れない高速道路で2時間ちょっと掛かります。

途中南陽市のぶどう農園直売でぶどうを買い、遠回りして米沢市の上杉城史苑で帰省土産を買って帰宅しました。

復路は炎天下のドライヴとなりましたが、山手の方は雲がちで、周囲の高山ざっと1,400m以上は雲に隠れて1つも見えませんでした。

この週ずっとそうなんですよね。

 

ショートトリップ2日め 銀山温泉能登屋旅館

続く9月8日水曜日は、更に北上して、我ら夫婦的には初めての銀山温泉

最高気温17℃、激寒の雨の中銀山温泉郷に到着しました。

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これは翌日の晴天下です。

雪が積もった姿が特に有名ですね。

大正モダンな温泉街。画面中央、毛色の違う縦のルーバーの建物が、青い目の女将ジニーさんが一世を風靡した藤屋旅館です。
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隈研吾氏起用の大胆な全面リニューアルがジニーさんの怒りを買い、離婚してアメリカに帰ったと言われています。単体の建築として見れば高い評価を受けてもおかしくないと思いますが、ここには要らないと思います、私も。「ニッポン人には日本が足りない」を地で言ったのが旦那さんという皮肉ですね。

コーナーを回った先に見えてきた塔のある建物が、本日お世話になる能登屋旅館です。
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嘗て三大銀山に称せられたという延沢銀山(だから「銀山」なんですよ)の、加賀国能登半島からやってきた坑夫が温泉を掘り当てたのが銀山温泉能登屋の始まりで、現当主・女将は17代だそうです。

大正10年築木造の本館は、登録有形文化財です。
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正面どーん。
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文化財建築ですが、本館背部の増築部分と別館にエレベーターがあります。

 

我らの部屋。

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廊下から奥まったドアを開けると、中廊下があり、

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こういうところがいちいち洒落ています。

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 左の障子を開けると、

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広縁と続きの間のあるスイートルーム。
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ここが一番大きい部屋じゃないかな。

別館合わせて15室なのですが、洋室シングルも2室あります。

 

エレベーターで老母も安心。

と思ったら、別館を通り抜け、

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82段の階段を登り(写真は復路見下ろし)、
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一旦外を歩いて辿り着く展望露天風呂(予約制貸切)があったり、
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1階から階段を計10段、半地下に降りる元湯洞窟風呂(予約不要貸切)があったりするんですけども。

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この洞窟風呂になっているところが能登屋、即ち銀山温泉のオリジナル中のオリジナルだそうです。
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洞窟風呂の階段上には年代物のステンドグラスの窓もあります。
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この2つのお風呂に入ろうとすると階段を回避できませんが、大浴場はお年寄りでも大丈夫です。

尚、展望露天風呂からは白銀の滝が微かに望めます。眺望の観点からは目の前の杉の木を2本伐って欲しいです。

 

玄関上、塔の下の張り出し部分は談話スペースになっています。

2階。

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階段を登って-

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-いくと、

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3階。
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4階は談話室です。
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大変雰囲気のあるお部屋です。

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塔の中。

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私には年代物の碍子がオイシイです。チェックイン後間もなく写真撮って回っている人が私の他もう1人いましたが、あとはWi-Fi掴まえるために嫁が談話スペースに長居していたくらいで、終始無人でしたね。(部屋にはWi-Fiがないのですが、嫁によるとロビーで旅館のWi-Fi、談話スペースで銀山温泉フリーWi-Fiが掴まるそうです。)

 

食事は十分満足しましたが、例によって写真は省略。

私「つや姫」派ですが、ご飯はここのつや姫よりも高見屋の「はえぬき」の方が美味しかったな。

 

夜は外を散策している人が多いです。

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部屋や談話スペースから顔を出すと写真を撮る皆さんが残念な思いをする心霊写真になる恐れがあるので、我々も外に出ます。

改めて標準アングルからの温泉街。

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因みに3階など高いところからは色々見えますが、ファサード以外普通に鉄筋コンクリートな建物もあります。

大正2棟並び。
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能登屋。

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お風呂も誰もいないところを見計らってパチリ。
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pH6.9の中性温泉です。白くて酸っぱい蔵王温泉と違い、含硫黄でも無味無臭無色透明です。源泉掛け流し、源泉温度が高いですが、浴槽ではいい湯加減に調整されています。(加温加水ありませんよ。)

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と私は思いましたが、母と嫁によると熱かったそうです。私が熱湯地獄の蔵王に慣れただけだったか。
尚、コロナ対策的には、脱衣所は広いし、洗い場も広いし、お風呂は何ら問題ない印象。食事会場は、個室だった夕食はいいとして、朝食はもう少し衝立があった方が安心できる印象でした。(隣席との距離はかなりとってありましたが、思いのほか見通しがよかったので。)

 

銀山温泉の夜は暮れていきます。

お休みなさいzzz

ショートトリップ初日その2 蔵王温泉深山荘高見屋

蔵王温泉に降りたら、運動後のコカ・コーラだけ買って、さっさと投宿します。

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開湯1,900年の伝説はよく分かりませんが、少なくとも1,100年以上の歴史を有する蔵王温泉でも老舗、今年で創業305年の深山荘高見屋です。

www.zao.co.jp

 

傾斜地に複数棟が建つため、館内は迷路のようですが、明治末期の建物は風情があります。

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部屋は広縁付きの和室に、
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ベッドルームの付いたメゾネットタイプのスイートでした。
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このスイート棟の客室は、元ピニンファリーナのケン奥山氏がプロデュースしたそうです。彼は山形県出身です。まあ彼のデザインしたフェラーリはそんなに好みのカッコではないんですけども。

因みにWi-Fiもあります。

部屋風呂(露天)がありますが、温泉を部屋まで引けないので温泉でない地下水の沸かし湯ということなので、我らは利用しません。
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洗い場は室内なので、冬でも入浴可能ですよ。

 

談話室。

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飾り棚の民芸品。
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館内あちこちには階段箪笥など。

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食事の写真は載せるとキリがないので省略。

 

源泉掛け流し、加水・加温ありません。高見屋の源泉温度はそんなに高くないのですが、そのままの温度じゃないかと思うくらいの限りなくピュアな温泉を楽しめます。

浴槽は館内全部で8つあります。全制覇しました。誰もいないタイミングを捉えた写真で3つ紹介。

長寿の湯。
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長寿の湯露天。
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せせらぎの湯露天。
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2本の源泉はpH1.7と2.0の強酸性です。よくタオル/手拭いを湯に浸けておくと3日でボロボロになると言われます。やったことないので分かりませんが。浴槽により違いますが、透明度は一番低いところで21cmの濁り湯でした。

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白い湯の花。
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館内のお湯が十分によかったので、旅館の目の前にある上湯共同浴場には行かないで終わりました。

 

ここに限った話ではありませんが、最近の露天風呂は、屋根ができ、壁ができ、簾も下がったりして、開放感がないところが増えたのが残念ではあります。

 

COVID-19感染対策的には、最下部にある長寿の湯の脱衣所が狭く、すぐ隣で衣類の脱着をする人がいた点が気になりましたかね。こっちが出て行くのに2分も待てばよいものを待たないので、場所というよりは利用者の問題ですが。

 

嫁は投宿後間も無く土産を買いに出て成果を得てきましたが、皆の成果は蔵王名物「いがもち」。

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高見屋から下ったところにある「おおぎや」で買えると思いつつ、宿で前日のうちに予約してチェックアウト時に引き取りました。おおぎやの前を通った時は「売り切れ」表示が出ていたので、正解でした。

 

それで高見屋ですが、お湯は極上、建物も建築好きには素晴らしく、料理もサービスも流石でした。残念なのは、古い建物に由来しますが、兎に角階段。どこに行くにも階段。玄関入るにも階段。お風呂行くにも階段。室内もベッドのある部屋に行くには階段。あまりお年寄り向きではないかな。もっと下、私くらいの世代以下の人に特にお勧めですね。

ショートトリップ初日その1 超級山岳蔵王エコーライン

先週の帰省中のお話です。

9月7日火曜日からは、母と嫁と3人でのショートトリップでした。

初日は蔵王温泉の最高峰深山荘高見屋に一泊します。

蔵王に行く以上、私はSK Pininfarina Diskと共に人力で登ります。嫁と母は母の車です。

蔵王エコーライン山形側は、ベースの上山市金谷・蔵王の森のR13/r12交差点標高187mから山形側の最高点刈田駐車場(と言っても宮城県七ヶ宿町にあるんですけども)1,596mまで最大勾配14%、平均勾配5.8%、1,409m(単純標高差)を登る超級山岳です。

因みに、

  • エコーライン区間の最高点は、宮城側をもう少し、ほんの少し先に進んだ+10m↑
  • 宮城側は蔵王ハイライン1,722mまで登れます(自動車専用道路なので自転車は入れませんが)
  • 森林限界が高く森が深いので、山形側には殆ど景観はありません
  • 駐車場は、ようやく綺麗なトイレ(だと思うが入ったことないので知りません)ができましたが、バス待合所以外何もありません。昔はもうちょっとあったんですが。お釜が見える稜線へのリフトは、整備点検のためこの日まで運休中でした
  • 宮城側は、如何にも火山な荒涼とした景観を眺めながら標高を上げてエコーライン最高点に達し、ハイラインを登るとすぐお釜が見えます。山頂レストハウスにはレストランも土産店もキレイなトイレもあります

山形は、温泉とスキー場では宮城を圧倒していますが、蔵王の観光開発では惨敗です。エコーラインで勝っているのは勾配と標高差ですな。サイクリスト的には美味しいですが。

 

ゴールは、ベースから24km、実家からは65kmあります。実家から刈田駐車場までの想定所要時間は3時間半、15時過ぎにチェックインする想定で14時半のゴールを期し、母と嫁には「12時半(途中で食事する場合は11時半)にスタートすべし」と言い残して、11時過ぎにスタートしました。

帰省して初めて、周囲の高山、吾妻山が一時全景を見せた晴天でした。蔵王は上部は雲が掛かっていたし、他の高山も同じく見えませんでしたが。UVアームカバー忘れてきたので、気温さえ上がれば曇ってもいいんでしたが、冷んやり晴天でしたね。

 

赤湯温泉通過が実家からざっと45分、途中R13/山形新幹線かみのやま高架橋上での塩熱サプリ休憩を挟んでベース到着まで1時間20分でした。

約1分の信号停止を挟んでクライムアップを開始しました。

蔵王山上部は引き続き見えません。

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蔵王エコーライン(細かいことを言うとエコーライン区間に入る前ですが)最大の激坂14%区間

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これをクリアして間も無くの待避所で少し早めのようかん休憩。

スポーツようかんは元々モノがよくないのか古くなったためか分かりませんが、チューブからの滑りも味もどっちも良くないですが、こちらのは割といいので、和食補給派にはこちらをお勧めします。


で、大凡2/3登ったエコーライン上に2つあるスキー場の高い方、坊平高原のライザワールド1,081m付近で2回目の塩熱サプリ休憩にしました。クライムアップ開始から約1時間20分、流石に疲れました。

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ここのレストハウスは夏季・平日も営業しているので、私を追い越した母と嫁はここでランチしてました。売りは窯焼きピッツァです。薄いイタリアン生地だそうです。

 

この先の大分登ったところで、母と嫁曰く「すごく離れていた」らしい先行バイク1台に追い付いてパスすると、森林限界を抜けて視界が開け、左に熊野岳、右に刈田岳、刈田岳の下にリフト乗り場(刈田駐車場)が見えました。

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間も無く更にもう1台を視界に捉えたところで県境の最終コーナー。

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先行の女性がゴール刈田駐車場に座り込んだところで、その隣に駐まっていた母の車の前に私もゴールしました。

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タイムはグロスタイムで3時間19分、ヒルクライム1時間58分。カンペキな計算でしたな。

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で、53/39ノーマルクランクと11s12-29ワイドギアでの初めてのヒルクライムだった訳ですが。フロントは斜度が上がってからは時折緩んだ箇所でアウターにした以外は殆どインナー、リアは主に5-8th(16、17、19、21コマ)でした。チタン歯が勿体無い私は、9thの23コマ(レコードなので下から3枚はチタンです)を数回使いましたが、ローエンドの2枚、26と29は完璧に温存しました。これからすると、11-25でも大概のヒルクライムいけますね。コースデータで比較する限り、ヤビツも志賀高原もスバルラインもここより緩いし。富士山は酸素薄いとは思いますが。尤もチタン歯が勿体ない私には、今のセットか、11-25ならコーラスが丁度良さそうですねども。

 

登り切ったところで車載するつもりでしたが、折角なので蔵王温泉への分岐点に近い猿倉スキー場までの下りを乗ることにしました。

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ストレートであまり踏んでないのでMax60km/hに留まり、14km下る間に自ニ1台と四輪2台に抜かされましたが、SK Pininfarina Diskのディスクブレーキ、メチャメチャ安定感あってしかも効きます。ノーズダイブするJekyll800よりも鋭く減速し、鋭く旋回します。コーナーが連続する区間では四輪に追い付きます。エコーラインは古いですが、路面がいいので突っ込んでいっても割と安全です。 

他車を知らないのでアレですが、平均50km/h以上の領域のSK Pininfarina Diskは、スタビリティよりは軽快感が勝り、矢のように走るよりはヒラリヒラリと曲がっていく印象でした。多分スタート寸前に前夜セット用の空気圧90psiにしたせいですけども。

14kmを18分で駆け下りて、本日のライドを終了しました。

スピード違反かと思いますが、私を追い越していった人たちの方が飛ばしているので許してください。

 

【Runmeterによる走行データ】

スタート: 11時04分
バイクタイム: 3時間28分44秒
停止時間: 17分51秒
距離: 79.76km
平均スピード: 22.93km/h
最高スピード: 60.79km/h
登り: 1,528m
降り: 1,109m
消費エネルギー: 2,477kcal

ああ、楽しかった。

しっかし下りはメチャ寒かった。この後温泉で温まるまで震えが止まりませんでした。

米沢市の秘境綱木地区へのヒルクライム(1級山岳桧原峠途中まで)

先週土曜日から実家に帰ってました。

変異株のためか未接種側の僻み根性か、接種済者の行動にも未だ一律に自粛要請が掛かり、分科会の出口戦略論にも否定的な声が多く聞こえるのは、集団自殺願望を持っている人が多い気がしないでもないですが、出歩くのは実家の母を含めた3人のワクチンの効果が高いうちが吉です。

 

4日土曜日早朝の東北道は、宇都宮を過ぎた辺りから霧雨〜小雨。標高の高い那須高原辺りから普通に雨になり、福島県内では四輪とも持っていかれるような水溜りが発生する程悪化し、山形への県境越えは霧の中でした。

で、東北道を北上して思ったこと。

どーしてトラックが第二通行帯をキープするかな

別に2車線区間で追越しに時間掛かってるのはいいんですよ。大概は後続が見えないうちに追越しを開始した筈なのに私が追い付いているんだから、マナー悪な訳じゃないし。ホントは良くないですけどね。デジタコ気にして相対速度1km/hにも満たないような追越しをするよりも速度にメリハリをつけて速やかに追越しを完了すべきなので。

が、すごく沢山いました。何で3車線区間で、スピードも出てないトラックが真ん中走るんでしょうか。プロがサンデードライバーどもと同レベルの運転なんかしてんじゃねーよと思いました。

更に東北中央道板谷峠登りは、ただでさえも低い制限速度70km/hのところ(殆ど全線対面通行なので・・・)、先行するトラックは60km/hにすら届かないスピードで走っていたし。まあ栗子峠は急勾配で知られる鉄道有数の難所板谷峠に並走する山岳路なので、トラックには急過ぎるんですけども。

 

さて、実家に着いて本格始動の9月5日日曜日。

今にも雨☔️が降り出しそうなどんより曇り空、山は800mぐらいから上は雲の中でしたが、米沢市の降水確率40%、雨雲レーターが目的地方面に掛かってこないのを確認して、実家をスタートしました。

 

目的地は、嘗ては会津と米沢を結ぶ米沢街道(複数ありますが)の宿場町として栄えた米沢市綱木地区。

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現在は3世帯4人だけとなり、廃村秒読み状態ですが、400年以上続くという伝統芸能の獅子踊りがつい先日奉納されています。

www.google.co.jp

そしてその先の桧原峠。呼称は幾つかあるのですけども。

 

米沢市内三沢地区からr233進行方向には、それは見事なピラミッドの戸倉山633mが見えます。

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ここの標高が330m、綱木地区まで単純標高差270m、県境の桧原峠まで同770mです。

 

その戸倉山のある簗沢地区を通り過ぎると間も無く綱木川ダム。2007年竣工の、県内では1番新しいダムかしら。

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振り返る戸倉山。
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ロックフィルダムです。
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「おしょうしな湖」(「おしょうしな」は「ありがとう」の方言)と名付けられていたそうですが、私は竣工年を調べていたこの日初めて知りました。地名に残る歴史を顧みずに付けられたこのセンスの無さすぎるネームが定着しなくて心底よかったと思います。

堤防下の公園。
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ダムを過ぎて急激に狭くなった1車線道路を登っていくと、米沢市関地区と綱木地区を結ぶr234が合流します。r234はすんごく険しいというか狭隘な綱木峠を越えてきます。ここまでのr233なんてかわいいもんです。
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これは振り返ったところ。右が綱木峠へ、左が綱木川ダムに通じます。

綱木地区。復路に撮ったので見下ろしです。
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集落を通らない道が写真でいうと右を走っているのですが、バイパスにするような交通量では全くありません。
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集落の先に兜山1,199mの登山口駐車場があります。直江兼続が山頂から米沢盆地を見下ろして町割りをしたと言われる眺めの良い山だそうですが、国土地理院の地図には登山道が書かれていません。

その先は「冬期間通行止」と「この先通行止」と「通行止」が並んでいました。1番有力なのは「通行止」(歩行者も通行止)ですが、仮設です。あくまでも自己責任、実家の母に行き先を告げて出てきた私も自己責任で前進します。
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本気で通さないときはもっと厳重なバリケードが築かれ、通行不能になるようです。

この先あちこちに車が駐まっているのですが、渓流釣りの人が結構入ってくるのでした。
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道はずーっと1車線道路ですが、集落下よりも舗装が新しく通行量が少ないので、路面はそう悪くありません。が、退避所を使わないと軽自動車でも離合できません。
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風化花崗岩の砂の山なんだな。
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路面が濡れているので、前後バランスに気をつけないと、急坂部分ではリアタイヤがスリップします。

綱木地区から約10分、「路肩欠損のため通り抜け不能」の表示に当たりました。事実上ここが最先端の模様。渓流釣りと思しき車が画面外の左側に4台駐まっています。
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進んでもすぐ先に、路肩の養生が見えるパイロンゲートがありました。
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歩行者と二輪以外は物理的に通行不能です。
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トンネルが閉鎖されている大峠と違ってラン装備なら普通に行けますが、ロードバイクの私もここまでです。
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標高は約790m。峠は1,100mなので、私の桧原峠トライアルは大分手前で行き詰まったということになります。遠いな、福島県境。因みに現ルートは旧桧原峠が廃道化した後に林道百子沢線と林道鷹の巣線が繋がれたものですが、「桧原峠」の他に会津側の起点である桧原湖畔金山から取った「金山峠」とも福島県側の林道名「鷹の巣林道」とも呼ばれるようですけども。

 

現在はこんな状態ですが、「林道への案内板」によると昨年通った記録があるので、

www.rindo21.com

しょっちゅう行われ且つ長い復旧工事の完工と再閉鎖の間のタイミングをうまく捉えられれば、桧原湖畔まで降りられるということなんですけども。

私は学生の頃と15年程前と2回綱木地区までは来ましたが、いずれも今回より手前(当時はダート)で行き詰まりました。

 

あり得ないほど澄んだ水が写真に写っていない、最上川の支流の鬼面川の支流の大樽川の支流の綱木川でした。
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【Runmeterによる走行データ】

スタート: 9時26分
バイクタイム: 2時間06分43秒
停止時間: 18分56秒
距離: 54.98km
平均スピード: 26.03km/h
最高スピード: 55.35km/h
登り: 746m
降り: 752m
消費カロリー: 1,558kcal

 

ライド中すれ違った/見掛けた自転車は5台、うち4台はご同輩、残り1台はクロスバイクでした。

普通に運転免許を取得していた世代が高齢者になり、認知能力や運転技術や免許返納云々は別として、自動車を運転できない高齢者はまずいなくなったので、街に降りて学生を見掛けない限り、自転車に乗っているのは物好きばかりなのでした。