甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

ユーライア・ヒープ知らない人も多いと思いますが

ユーライア・ヒープってバンドがあります。

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レッド・ツェッペリンなら「ありました」と過去形ですが、こちらは現役。

先月も来日公演やっていて、参戦しなかったことは書きました。

 

プログレ四天王」に倣って「ハードロック四天王」を挙げたら、ZEP、ディープ・パープル、ブラック・サバスとともに名を連ねる筈です。ロックあまり聴かない嫁も名前だけは知っていました。不動の頂点ZEP(ホントはカテゴリーが違う)以外の3バンドはグランド・ファンク・レイルロード辺りと入れ替わって落選する可能性もあると思いますが。

因みにTop4を表す言葉として、宝塚歌劇には何だかカッコいい「ベルばら4強」という言葉があります。

 

プログレ・ハードの元祖とか言われたりします。初期から大作・コンセプト志向で、ジャケットがロジャー・ディーンで、キーボードが音楽的な主導権を握っていたからです(決め付けます)。あ、あとはジョン・ウェットンが在籍したからか。

ヒープに、一般にプログレでイメージされるクラシックやジャズとのクロスオーバーや即興色は弱いです。

 

個人的にはサバスやパープルより聴いています。

偉大なる普通のドラマー、リー・カースレイク、ステージでも音でもやたら前に出るベース、ゲイリー・セイン、ワウの効いた泣きのギブソン・ギター、ミック・ボックス、歪んだハモンドのみならず、作曲、サイドギター、曲によってはメインボーカルまで執るマルチ・プレーヤー、ケン・ヘンズレーらの分厚いインストゥルメンタルが繰り出す大仰な曲とキャッチーなメロディ。

その上に、「悪魔の叫び」と称された(らしい)クリアーな声質とファルセットに演歌の国日本人好みの振幅の大きなヴィブラートが特徴のデヴィッド・バイロンが載ります。4バンドで言えばZEPのロバート・プラントをも上回るかもしれない歌唱力。(注1)

分厚いコーラスはクイーンより先。彼らが最もプログレッシヴな(=ロックの地平を拡げた)部分は、キーボードでなくここです。

抜群のZEPを除く3組14人あんまり冴えないルックスの中でも、多分座ってオルガンを弾くケンのせいでオッさんぽさNo.1ですが、キモカワで当てたフレディ・マーキュリーを思えば、うまくプロモーションすれば、クイーンのポジションに収まることもあり得たでしょう!

デヴィッドを、

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YouTubeのキャプチャ】

マリオとして売ればいいんだから!(注2)

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任天堂©︎】

 

ZEPから遅れること2年、パープルからは1年、彼らも73年に来日公演を果たしました。

73年の外タレと言えば、雨の後楽園球場伝説Part.2GFRとこのヒープですね。(注3)

 

私の(ド)田舎では深夜に「ミュージック・ビート」というPV(Promotion Video)番組をやっていました。キー局深夜枠か関東ローカル制作と思われるマイナー番組ですが、当時ビッグネームになるとは全く思わなかったボン・ジョヴィのデビュー曲もこれで見ているので、84年中頃には放送していたんでしょう。でもライヴ・エイドやった85年夏には終わっていたと思います。

この番組に、大作は収まりませんが長めの尺を取ってクラシック・ロックを流すコーナーがあり、そこで「7月の朝“July Mourning”」が流れました。「貴重な来日公演の映像」という紹介とともに。当時の日立製モノラル・ビデオデッキでVHSテープに収まりました。

 

これがヒープとの出会い。武道館から10年経った後の出会い。

 

哀しげな短調のメロディとデヴィッドのファルセット・ヴィブラート(このライヴではフラット気味だった)が心に深く刺さりました。

ゲイリーは感電重症→解雇→ドラッグで早逝、デヴィッドは解雇→鳴かず飛ばず→アルコールで早逝。この公演あたりをピークに凋落していった人気は、70年代後半以降はB級扱い。なんだか彼らの行く末を暗示していたかのようです。

放送された時間は約半分の6分ほど。スタジオ盤ではマンフレッド・マンの訳の分からないシンセ・パートが入る部分が尺に当たって切れたのも逆に印象が良かった。

 

以来ライヴは、公式盤“Live 1973”を聴き込み、キング・ビスケット・ライヴも買い、米欧計2枚のライヴ・ブートレグも買いました。が、武道館に勝る“July Mourning”はありませんでした。(注4)

 

2004年、DVD「CLASSIC HEEP - LIVE FROM THE BYRON ERA」が発売されました。

バイロン時代のライヴ」って、クビにしたとは思えない厚遇。

ハイライトは武道館!

 

買いました。すぐ買いました。リージョンフリーNTSC輸入DVDに日本語の帯を付けただけの安直商品ですが問題ありません!

元々“July Mourning”が放送されたように、公式映像が存在しています。どうやら英国で40分弱、日本で10分程に編集されてテレビ放映されたようです。これが漸く日の目を見るんです!

テレビ放映VHS録画の低画質(寧ろ気にしたのは低音質)から脱却!と喜び勇んで視聴すると…。

 

問題ありました。

詐欺です。

73年武道館の映像は全て“Live 1973”の音声に差し変わっていました。そりゃ“Live 1973”は確かに素晴らしい出来ですが、折角の秘蔵映像が謂わば「口パク」。“Look At Yourself”はカット、1番大事な“July Mourning”は他のライヴ映像もMixされていて、資料的価値もありません。

デヴィッドは故人なので、彼が不満持っているとかいうことはあり得ません。

何だ。

何故だ。

デヴィッドが“July Mourning”を歌い出す際にマイクONで咳払いしたからか(注5)。消さなくても構わないけど、それ編集するくらい簡単じゃないか。

デヴィッドの声が出ていなかったからか(注6)、PAトラブルがあったからか、日本人にウケないロックンロール・メドレーやったからか、理由は不明だが評判の悪かった公演でなく、ベスト・テイクで製品化したかったんでしょうか。

ガッカリしました。

実に残念なDVDでした。

買ったDVD /ブルーレイはiPad視聴用にmp4化しているのに、あまりに残念なこのDVDはmp4化していませんでした。

 

そしてYouTubeです。

残念DVD発売の翌年にサービスを開始したYouTubeは、現在ZEPの未所有音源探索に絶大な威力を発揮しています。で、ヒープはどうなんだと思って見てみたら、武道館の映像がありました。 

www.youtube.com

DVDに収録されていない“Look At Yourself”(メンバーのクレジットが入っている)はオリジナル流出かテレビ放映版の高品質記録か。他のカラー映像数曲はこのDVDの違法コピー。長尺の画質悪モノクロは海外テレビ放映版の個人ホームビデオ録画。カラーの“July Mourning”もありましたが、自分のビデオ録画素材より低品質な個人ホームビデオ録画とDVD違法コピーでした。

 

が、目を転じると名古屋の昼夜2回公演の音声がUpされてます。武道館はありませんでしたが、こうやって音源が出回っているということは、ブートレグが販売されている可能性もあるってことじゃん?とググってみたら...。

 

ありました。

www.discogs.com

オフィシャル映像が地球上に存在するのにオーディエンス音源ってところがアレですが、MCのカットもなく、オーヴァーダブもないフルヴァージョン。

 

買いました。

聴きました。

 

どうでもいい糸居五郎さんの前説(当時の定番ですが、私は興味ない)とチューニングを合わせて1時間42分。名古屋の時間からしてもフルヴァージョンのようです。

ああ、これだ。

クリアーさは大分落ちますが、オーディエンスとしては十分な音質。低音質テレビ録画よりもいいです。多少聞こえ方は違っても、本物です。

 

はあ、良かった。

これです。“July Mourning”だけで価値がありますが、唯一の武道館公演の全貌が分かって良かった。

でもやっぱり映像がないのは物足りない。残念DVDを非改竄ヴァージョンにリイシューして出してくれないかなあ。

 

ミック・ボックス72歳、50年に亘ってバンドを率いてきた偉大なリーダーですが、デヴィッドもケンもいないヒープには興味なく(注7)、「軒並み古希を迎えている巨匠たちを、見れるうち、聴けるうちに見、聴かないと後悔するぞ❗️」の範囲に入らなかったので3月の来日公演参戦を見送りましたが、全盛期のメンバーの1人、リーも末期ガンで余命僅かだそうです。

www.barks.jp

件のオジーも入院で来日公演中止だし、70年代ロックのファンにとっては、寂しい話が続きますね。

 

注1:若干声質が軽いですが、ロバートの反則(ルックスと声)さえなければいい勝負だと思います。オジー・オズボーンは横に置くとして、安定感抜群で、ヴィブラート・コントロールが上手くても、強・弱・シャウトの3つしか表現できないイアン・ギランは、ハードロック一辺倒の第2期パープルだから通用しただけだと思います。

注2:マリオ・ブラザーズは83年リリースなので、有り得ません。83年にはデヴィッドはとっくに解雇されてたし。

注3:通説はヒープではなくイエスだとは思いますが。

注4:ビデオで録画してしつこく見、mp4ファイルにして今も持っているので、記憶が勝手に美しくなったのではありません。

注5:他にもステージの縁に腰掛ける(“July Mourning”でも見られる)、寝そべって歌う、ミック・ボックスの首を絞めたりゲイリー・セインを蹴ったりと行儀が悪いステージングが見られます。あれがデヴィッドだと考える方がいいようですが、クビになった原因もこの辺らしいです。

注6:高水準の“Live 1973”と比べると各曲厳しいですが、“July Mourning”に限って言えば、しっかり声出てます。

注7:精力的にライヴをこなしているバリバリの現役だけあって、実際にはいい演奏をそうです。