甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

実は一番聴いているフリオ・キリコ(arti & mestieri)

昨日5月18日は、クラブチッタ CLUB CITTA' にて今年が第1回のジャズ・ロック・レジェンズ "Jazz Rock Regends 2019"参戦。

 

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©︎CLUB CITTA'

 

CLAMPSレーベル/イタリアン・ジャズ・ロックの2大巨頭、というか今年両方来たら来年以降の開催できるの?的豪華ラインナップ、アルティ・エ・メスティエリ"arti & mestieri"にアレア"area"となれば行くしかありません。デメトリオ・ストラトス Demetrio Stratos のいないアレアがアレアなのかという話はスルーして。

来年以降はイタリア以外の国からですね。コロシアム、JCMのジョン・ハイズマン Jon Hiseman が昨年亡くなったのが惜しいです。

 

初めて聴いたポピュラー系のライヴは、2005年6月のアルティ・エ・メスティエリ奇跡の初来日公演“TILT AL CITTA’ 2005”でした。来日はその後も続き、今回で都合4回になりましたが。。。ありがとうございます。

初来日公演の模様は、2日公演の2日目、6月12日の公式CDが翌年出ました。

ファースト・ライヴ・イン・ジャパン(再燃)+1

ファースト・ライヴ・イン・ジャパン(再燃)+1

 

単独ライヴ3時間Overの熱演、嫁を待たせてサイン会にも参加し、終電ギリギリの川崎クラブチッタでした。コードにもメロディにもリズムにもピッチにも関係なく叩きまくる手数王フリオ・キリコ Furio Chirico のドラムに、嫁曰く「どれもおんなじ!」。

にも拘らず、この嫁はその6年後、「イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 秋の陣2011―夢のまた夢」で、トリップ"THE TRIP"のフリオ・キリコ(因みに翌日はアルティのフリオとして出演)を聴かされました。。。

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http://home.a00.itscom.net/lola/images/fliers/ItProgRockFest_2011_A_s.jpg(本棚探せば自分のも出てくるのですが個人のサイトからお借りしました。)

この時は初日、トリップ"THE TRIP"、ゴブリン"Goblin"にPFM"Premiata Forneria Marconi"。アルティとトリップのカップリングでブート"Calling Monster Chirico"が出ています。が。(注1)

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今回、フリオ・キリコ3回目。まあ彼のドラムが好きなんですな。67歳の今年、53歳の初来日のように叩けるか分かりませんが、とか思いながら。

 

で、レビュー。

 

第1部 アルティ・エ・メスティエリ

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©︎CLUB CITTA'

 

今回はarti & mesitieri essentiaと称して、インストゥルメンタル5人編成によるオリジナル・フォーメーションで来日。ヴォーカルのイアーノ・ニコロ Iano Nicolo'がクビになってないか心配ですが、公式サイトの現メンバーに名前が載っているから大丈夫でしょう。

 

で、ライヴ。

・2005年はフリオ+ベッペ・クロヴェッラ Beppe Crovella(key. 当時)+その他インスト隊+イアーノ(vo.)という感じでギター、ヴァイオリン、サックスがフィットし切っていない感じがありましたが、アンサンブルがグッとタイトになりました。当時来日寸前に18歳で加入したラウタロ・アコスタ Lautaro Acosta(vl. 今やチョイ悪口髭を生やした34歳)が中軸に成長し、ジジ・ヴェネゴーニ Gigi Venegoni(g.)、 ピエーロ・モルタラ Piero Mortara(key. バンド公式サイトの"Pietro"は間違いのよう。)とのバランスがよくなったのが特に効いた観。

・フリオのドラムは相変わらずシャープ、所々に挿し込まれる決めポーズも健在。2011年は手数が大分減って心配しましたが、67歳になった今年は2005年と変わらないレベル。多分当時太り過ぎ。今回は大分絞れていましたし。

・なので2ndの頭2曲、"Valzer Per Domani"から"Mirafiori"、締めの"Gravita' 9.81"にはシビれました。

・高齢組を中心にちょっと乱れがありましたが、ライヴはそういうもの。

・今回初参戦のピエーロは、アコーディオンを演奏。PFMのライヴ盤でフラヴィオ・プレモーリ Flavio Premoli が弾いているのはよく聴きましたが、生は初めて。すんごく合います。スリリングです。

ラウタロのインストゥルメントはヤマハのサイレント・ヴァイオリンだと思いますが、やっぱりアコースティック・ヴァイオリンを使って欲しい。弱音のアタックが濁るし中音の響きがアコースティックより格段に劣ります。(注2)

 

第2部 アレア

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©︎CLUB CITTA'

 

"International POPular Group"アレアは、"area open project"として、オリジナル・メンバー パトリツィオ・フォリゼッリ Patrizio Fariselli(key.)を中心に、流動的なメンバーで活動を継続していこう、ということなようです。偉大なデメトリオ・ストラトスを失って以降、初めて迎えたヴォーカリスト クラウディア・テリーニ Claudia Telliniがどんな歌唱を聴かせてくれるかに注目。

ロックの女性ヴォーカリスト、嫌いじゃありません。ロバート・プラントを除いて誰よりもZEPをドラマティックに歌えるのはハートのアン・ウィルソン Ann Wilson だし、セリオンの女性ヴォーカル隊も素晴らしいし、ナイトウィッシュのターヤ Tarjaも別格。イタリアではドネラ・デル・モナコ Donella Del Monacoとか、カテリーナ・カセッリ Caterina Caselli(この方は寧ろカンツォーネ)とか。

 

で、ライヴ。

・ジャズ・ロックというよりジャズでした。フリー・ジャズ。デメトリオ存命時のライヴもかなりジャズ寄りでしたが、「ロックのエッセンスがあるジャズ」の立ち位置。

・クラウディアはメッゾのハスキー系の声でした。で、歌唱は。。。普通。いや、普通よりはパワフルでしたがジャズ・ヴォーカルでした。凄く上手いんだけど、デメトリオの唯一無二のヴォイス・パフォーマンスの再現というより、ヴィブラートとスキャットの域を出るものではなかったかなと。

・彼女のお陰で初期の曲が蘇った部分と、そうは言っても曲自体がほぼ解体されているじゃないか、というところがあって、過去2回の来日公演もそうだったのかもしれませんが、プログレッシヴ・ロックのprogessを望まない(だからこそ70年代のバンド再結成・来日を熱い拍手を以って迎えている面もあるわけですが)人達から見たらどうかなぁ。でもバリバリ現役のアレアとして素晴らしいです。流石アレアです。40年経ってもバカテクです。

 

・アレアは「百鬼夜行」からインスパイアされた新譜"100 Ghosts"からの新曲を披露。アルティも"Universi Paralleli"からの6曲が本邦初演だった模様。

 

グランド・フィナーレは、ジャム・セッション。

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©︎CLUB CITTA'

 

壮絶なインプロヴィゼーションの応酬です。

「アレアとアルティ・エ・メスティエリによる饗宴が沸点へと達しカオスへと変貌をと遂げる」という訳の分からない解説のとおりでした。

 

1番ライヴを聴いた(といっても3回)フリオ・キリコ。年齢が心配でしたが、全然それを感じさせない健在ぶりでした。

 

で、座席はイマイチでした。クラブチッタのフロアの傾斜は僅か。前席の人が大きくて、フリオとセンター(シッティング時のジジと、クラウディア)が頭でほぼ隠れ、よく見えませんでした。あと私より歳上も多いイヴェントだから帽子が多かった。

見えねー...とか思いながら聴いていましたが、第1部終演時スタンディング・オベーションになって立った瞬間ビックリ。

前席の人の頭の上からステージがよく見えました。

何だ、俺のが背高いんじゃん。

 

戦利品。

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コーティング紙による大判の見開きパンフ。8ページでクリムゾンより高価な2,800円。クラブチッタのイヴェントはこの値段付けても収益キツいだろうから仕方ないか。

と、13,000円のチケットに含まれる、未発表音源の特別記念CD。

 

ところで。

アレアの"International POPular Group"。この"International"には「世界的な」(←思い切りイタリア・ローカルじゃないの?と思いますが)の他に「共産主義インターナショナル」(コミンテルン)の意味があります。

イタリアは西欧諸国では最も共産党の力が強い国でした。で、アレアは熱心な活動家。共産党大会でライヴやっていました。海外でのライヴでも"L'Internazionale"を演奏しているので、そっち系のイヴェントでしょう。私の語学力ではパトリツィオのMCは多少分かってもデメトリオの歌詞はさっぱり分かりませんが、真っ赤らしいです。

今は卒業したのか分かりませんが、霞を食べて生きられる才能を有する稀有な人達が、ソ連の尖兵として、パンを食べなければならないフツーの人達を煽るのは罪深いことだと思います。

今はソ連はなくなりましたが、「文化人」の「反『米帝』」「半日」「反資本主義」は日本でも相変わらずですね。

 

注1:リアル体験でブーストされた感動により記憶の中での演奏クオリティが上がっているため、追体験にはより演奏のクオリティが高いこっちの方がいいです(トリップに限る)。↓

Prog Exhibition (7CD+4DVD) (PAL)

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 買わなくてもYoutubeでトリップの映像全編見れるのですが、この翌年亡くなったウェッグ・アンダーソン Arvid'Wegg'Anderson、2014年亡くなったジョー・ヴェスコヴィ Joe Vescovi 追悼のためにも購入し、謹んで聴きましょう。)

 

注2:PFMの"Piazza del Campo"でマウロ・パガーニ Mauro Pagani とルチオ・ファブリ Lucio Fabbriを比べてもらうとよっく分かります。弦の素材だけの違いではないと思います。 

PIAZZA DEL CAMPO: LIVE IN SIENA (BONUS DVD)

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