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第21回別府アルゲリッチ音楽祭 日本生命presentsピノキオ支援コンサート「アルゲリッチ ベートーヴェンを弾く」〜ピノキオコンサート100回記念

タイトルやたら長いですが、昨日(日付変わったので一昨日になりましたが)5月24日金曜日は東京オペラシティ コンサートホールでマルタ・アルゲリッチ

別府アルゲリッチ音楽祭2019唯一の東京公演でした。

 

1番好きなピアニストです。

2番はリック・ウェイクマンとか言ってしまいますが。

クラシックで1番聴くCDは、長らくサー・ゲオルグショルティ指揮ウィーン・フィルの歌劇「ローエングリン」でしたが、ここ10年くらいはアルゲリッチさんのショパン・コンクール・ライヴです。あまりに鮮烈。

ショパン・コンクール・ライヴ

ショパン・コンクール・ライヴ

 

ショパンは収集途中からグラモフォン/デッカの”Complete Edition”で揃えたので他のピアニスト(でも大手レーベルなので皆一流どころ)も多いですが、単品CDの枚数が多いのはアルゲリッチさんとツィメルマンさん。

リストのCDも彼女です。

唯一のサン=サーンス、「動物の謝肉祭」のCDも彼女です。

「動物の謝肉祭」といえば、寧ろクライズラー&カンパニーですけども。

youtu.be

 前期型「ART FORCE」のプロコル・ハルム「青い影」も極めて印象的でしたが、後期型も負けず劣らず。(後期型もART FORCEなんですが、別なキャッチフレーズもありました。)

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5/26追記

後期型イメージカラーのパープリッシュシルバーツートンを見付けたので、そっちも貼っておきます。

www.youtube.com

 

シルビアの宣伝ばかりしても仕方ないですけども。

S13シルビアはカッコが好きで、R32GT-Rフルチューン車製作中の2000年から2001年に掛けての1年間だけですが、わざわざ前期型ライムグリーンツートン&純正アルミ&プロジェクターランプ&リアスポイラー付車を探し出してきて乗ってました。状態はポンコツ、内装はデザイン秀逸質感劣悪でした。

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彼女のダイナミックで自由奔放なピアノには痺れます。

クラシックのピアニストにはあまり感じない、グルーヴがあります。

 

身の程を弁えず、簡単にレビューします。

 

第1部

水戸室内管弦楽団、指揮者なし。

水戸芸術館初代館長であった故吉田秀和氏が創設したオケです。

ハイドン 交響曲第6番「朝」

割とマイナーな交響曲三部作の第1作ですが、ゴールデンウイークに聴き損ねたチェンバロ聴けました。

流石手練れの精鋭、初期ハイドンの軽妙さを、素晴らしいアンサンブルで聴かせてくれました。で、さきの東京国際フォーラムAホールとか比較自体馬鹿馬鹿しい音響の差。微細な音もよく聴こえ、次の曲の魅力も倍増。

ウェーベルン 弦楽のための5つの楽章 op.5

新ウィーン楽派なんてベルクの歌劇「ヴォツェック」くらいしか聴いたことないし、元々は第1部は前座だと思っていた(←失礼)のであまり期待もしていなかったのですが、緻密で厳格な構造に、スリリングなダイナミクス。ああ、これは面白いわ。録音が多い作品ではないようなので、CD買って同じ感想を得られるか分かりません。ありがとう、水戸室内管弦楽団

 

第2部

間もなく開演、後方から拍手湧き上がる❗️

アルゲリッチ さん客席から登場する演出⁉️

 

とか思って振り返り、見上げると、、、

 

何と上皇上皇后両陛下光臨‼️

お姿を拝するのは、個人的には平成20年天皇誕生日一般参賀以来。勿論退位後初めて。

 

2階席最前列中央から、手をお振りになっています。

 

テレビ、新聞でも報道されました。

退位後両陛下お揃いでの音楽会は初めてだそうです。

ピアニストでもあらせられる上皇后陛下は、アルゲリッチさんとご親交があり、アルゲリッチ音楽祭にはこれまで何度もお出ましになっています。熱心なアルゲリッチ・ファンにはサプライズではないのかも知れません。が、私にはサプライズ。

 

その興奮も冷めやらぬ中、再び楽団入場。

そして。

 

そして❗️

憧れのアルゲリッチさん❗️

 

そのアルゲリッチさんと手を取り合ってステージ中央に歩みを進めるもっと小柄なご老体は、、、譜面めくりの方ではありません。

 

小澤征爾さん

 

小澤征爾さんです❗️

 

3月にも入院されてオペラ公演を降板されました。8〜9月の「2019セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」で指揮をされないと発表もされていました。今回も休演・代演になる可能性が事務局から発表されていました。

 

歓声は、アルゲリッチさん以上に小澤さんに対してでしょう。

 

小澤さんは特にMy Favorite Conductorという訳ではなかったので、元々は「まーコンチェルト弾くアルゲリッチさんを1曲聴くための25,000円だな」くらいに思って会場に来ていました。何となく聴かないままかなと思っていた日本の生んだ偉大な指揮者を聴ける僥倖に、鳥肌立ちました。思わず涙が出ました。

第1部良かったし、上皇上皇后両陛下に小澤さん、25,000円がどんどん安くなります。ハイパーインフレです。

 

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番

問題は曲(注1)。ですが、第2番は、荒削りで後の作品に比べると完成度は高くないと思いますが、ハイドンモーツァルトの影響も強く残る軽妙な曲です。あまりベートーヴェンぽくありません。良かった。

少し荒いかなと感じるところはありましたが、流石アルゲリッチさん。悠然と構えた姿から、変幻自在な音が迸ります。老境にある小澤さんもアルゲリッチさんも、鈍さは微塵も感じさせません。熱いけど暑苦しくない演奏。実に軽やかで、純粋に楽しんでいるように感じられます。楽譜はあるのでしょうが(演奏は暗譜)、この呼吸は魂をぶつけ合うインプロヴィゼーションのそれ。やっぱり長年楽壇の頂点に君臨する人たちって凄いわ。

 

アンコール

1.シューマン子供の情景」第1曲 見知らぬ国と人々について

2.バッハ イギリス組曲 第3番 5.ガヴォット

どっちもアルゲリッチさんのソロです。1はピノキオっぽいですが、2は個人的に意外。

 

スタンディング・オベージョンの客席からは、オケに、小澤さんに、アルゲリッチさんに、惜しみない拍手。

そして上皇上皇后両陛下を拍手でお見送りして公演終了。

会場内は一切撮影禁止ということになっているので、私は自粛して撮りませんでしたが、小澤さんとアルゲリッチさん、上皇上皇后両陛下にカメラ(てかスマホ)を向け、フラッシュ撮影していた人もやたらといたぞと。

 

座席は先週のクラブチッタ(木製)と違って快適。前席は左右に2人連れ。これなら視界もクリアーだと思いましたが、何故か両内側の人がパートナーと反対側に首を傾げていたので狭かった。左目分はアルゲリッチさん隠れました。で、アルゲリッチさんを片目分隠した男性、やたら動きます。全然音楽に集中している観ありません。これは興味ないけど奥さんに連れてこられたパターンですね。

 

小澤さんはこの公演で相当疲労されたようで、明日26日の水戸室内管弦楽団の定期公演を降りられることが発表されました。

ありがとうございました。本日の公演は一生モノの財産になりました。

 

(パンフレット追加 ¥1,500)

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注1:ベートーヴェンはあまり好きではないのです、というようなことを前に書きました。

liprofumodellarosa.hatenablog.com