甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

MAGMA『50 ans après』at 六本木EX TEATHER

昨日は、昨年12月のMR.JIMMY以来の六本木EX TEATHER。

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フランスから来日のMAGMA、『50 ans après』です。

50周年です。若干20歳から始めても70歳、クリスチャン・ヴァンデは71歳です。意外に若いというか、若くしてマグマを興したということですね。敬愛するジョン・コルトレーンの死にショックを受けてイタリア🇮🇹を放浪中に「道半ばで去ったコルトレーンの音楽を(ヴァンデが)完成させなければならない」的な啓示を受けてバンドを結成したという経緯はアレですが、フレンチ・ジャズ・ロック界の重鎮です。往々にして「伝説的」という冠が載ります。

 

ライヴを聴きに行くくらいのアーティストなら大抵何枚もアルバムを持っているもんだと思いますが、マグマで持っているのは生憎これ1枚きり。

ライヴ!!

ライヴ!!

 

昨年亡くなったディディエ・ロックウッド=当時17歳が在籍した、1975年6月パリでの奇跡のライヴです。テンションが高いというか、狂気の域に入っています。このレベルまでスリリングな演奏はそうそうありません。公式盤としてはロック史上の十指に入る名ライヴだと思います。

 

チケットは全席指定9,000円。3階席(建物的にはB1階)でしたが、フロアの傾斜が大きく、前の人の頭が邪魔になりません。タムとスネアの位置が被ってどっちを叩いているか見辛いのだけが難点ですが、ステージがよく見えました。ドラム好き向きな席ですね。

 

メンバーは大所帯8人。

クリスチャン・ヴァンデ ‘Christian Vander’(Dr.,Vo.)
ステラ・ヴァンデ ‘Stella Vander’(Vo.(S), Percussion)
イザベル・フォイヨボゥワ ‘Isabelle Feuillebois’(Vo.(A))
ハーヴ・アクニン ‘Herve Aknin’(Vo.)
ジェローム・マルティノ ‘Jérôme Martineau’(Key.)
ルディ・ブラス ‘Rudy Blas’(Gt.)
フィリップ・ブゾネ ‘Philippe Bussonnet’(Ba.)風邪をひいていたか、寒かったようで、途中から上着着ていました。
ブノア・アルジアリ ‘Benoit Alziary’(Vib.)

ロック・コンサートとしてはPAの規模がかなり小さく、耳に優しい(笑)演奏でした。

 

クリスチャンの手数は5月に聴いたフリオ・キリコ(9歳若い)には及びませんが、老いを感じさせないドラムでした。自分の好みからすると、40年前のライヴと比べると大分ジャズ寄りでしたが。時々マイクを取り両手に持って歌う風情は「カラオケ好きの親戚のおじさん」。

MCを担当していたステラは、日本に7回来ているということなので、仲々の親日家さんかもしれません。日本語は「すいません」くらいしか分からないと仰っていましたが。

 

で、フランス語ですらない創作言語コバイア語のタイトルは覚え難く、上述の通りアルバムも1セットしか持っていないので、セットリストは省略。

本編の構成は、1曲め約45分、2曲め約50分のメドレー。拍手の機会が少ないので、手が疲れなくていいです(笑)。

アンコールは1曲、ヤニク・トップの曲と紹介されていたので“De Futura ”だったと思います。

 

演奏は、比較的予定調和的なもので、「(75年ライヴのような)火の出るようなインプロヴィゼーション」といったスリルはあまり感じませんでしたが、通しでエレピがリズムを刻んでいる昔(ジェロームさんがいない時代)と変わらない安定感と、(Arti + Mestieriのライヴ盤等で入っていたのは聴いたことありますが)ヴィブラフォンがグイグイと前に出てくるところが印象的。

本編フィナーレに向けて「Mëkanïk Zaïn」が加速していくにつれ、最も熱かったときに時代を遡っていくかのようにテンションがグイグイと上がっていくところが圧巻。本日のライヴの白眉でした。

 

残念なのは、公演パンフが無いこと。EX TEATHERの共通チラシにちょっと載っているだけなんだよね。実質東京と大阪の計2公演だから仕方ないかな。私Tシャツとかは要らないんですが。

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本日も夕方は遠征。