甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

本日はロック史上最高のドラマー、ジョン・ボーナムの没後40周年

本日は、レッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ヘンリー・ボーナム"Bonzo"の命日です。

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【1975年Promotion Photo】(© Led Zeppelin.com)

 

1980年9月25日享年32歳、それから40年、亡くなってからの方が大分長くなりました。

私は、解散後にリリースされた"CODA"(邦題「最終楽章」)に衝撃を受けてからのめり込んだafter ZEP世代なので、リアルタイムでは、彼のいない1985年LIVE AID、1988年Atlantic Records 40th Anniversary Concertをテレビで、見て感動、聴いてガッカリ体験しかできていないのですけども。

コーダ(最終楽章) <リマスター/スタンダード・エディション>
 

 

色々凄い人達ですが、「天国への階段」の歌詞の如く、新たなロック像を求めて群雄割拠したニュー・ロックの時代に揺るぎない「ロック」を確立して天下統一を果たしたことが最大の足跡でしょうか。

And if you listen very hard,  the tune will come to you at last.
When all is one and one is all, to be a rock and not to roll.

(「天国への階段」より)

ZEPが理想形を提示して見せたのに、影響は受けても能力が及ばないため誰も超越どころか到達もできないというのが、以後50年のロックの世界ですが。

 

ボンゾをして、ロックで用いられるあらゆるパターンを生み出したとか、ハードロック/ヘヴィメタル・ドラムの創始者だとか、パワーヒッターの代表格だとか、いや26インチバスドラムを鳴らすキックが凄いとか、ジャズのエッセンスとか、独特の重いタイム感とか色々ありますが、あまり言及されないけど彼が格別に凄いのは、繊細なタッチと多彩なトーンを持ち合わせていることだと思います。あの少ない構成のセットでどうしてこんな豊かできれいな音が出せるのかっていう。彼のドラムソロには手で叩くパートがありますが、画的に珍しいとかそういうことでなく、そのタッチの秘密を垣間見れるところがポイント。

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LED ZEPPELIN DVD ‘70 Royal Albert Hallより)

それが分かる人は彼の長大なソロを20分傾聴して満足しますが、理解できなくて5分で退屈するのがZEPのジャンルとされるハードロック/ヘヴィメタルのファンだというパラドックス。ディープ・パープルとかレインボーとかもっと若いドラマーとか聴いた方が楽しいのでしょうが、ボンゾを繰り返し聴いて音楽を聴く勉強をした方がいいです。


オフィシャルの映像では手で叩く姿は見れませんが、

youtu.be

まずは「レッド・ツェッペリン DVD」と映画「狂熱のライヴ」買いましょう。

 

レッド・ツェッペリン DVD(通常版)

レッド・ツェッペリン DVD(通常版)

 
レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [DVD]

レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [DVD]

  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: DVD
 

 

ZEPのロックとは、インストゥルメンタル(ヴォイスを含む)の高度に有機的なレゾナンスです。ドラムとベースがどんなに凄くても、彼ら「リズム隊」と捉えるのは誤り。ヴォーカルがどんなに凄くても歌メロで、ギターがどんなに凄くてもリフやソロで、ZEPの音楽を語るのは誤りです。

ヴォイスを含めた渾然一体且つ変幻自在、ジャズの世界でもロックの世界でも唯一無二のグルーヴは、ボンゾに限らず誰が欠けても生み出せません。ジャズや先行者であったクリームがZEPの域にどだい達し得ない決定的な差異を強いて挙げれば、ボンゾやジミー・ペイジジョン・ポール・ジョーンズでなく、ロバート・プラントの存在だと思いますけどね。インストの大音量に伍するヴォイス、リズム感、エモーショナルな歌唱。有り得ないレヴェルのヴォーカルがいたことで、インストも有り得ないレヴェルで演奏してもバンド・アンサンブルになった。それぞれが逆も然りですが。

 

サントラ盤「永遠の詩」"The Song Remains The Same"に『「最強のライヴバンド」がこれ???』との思いを抱きつつ、ブートレッグの海に飛び込んでいったZEPフリークとしてお勧めするのは、

 

大幅なリミックスとリマスターによってライヴ盤としての価値を飛躍的に高めた’73 USツアーの「永遠の詩」(最強盤)ではなく(オリジナルより大分改善されましたが、相変わらずアコースティック・コーナーがないことがZEPを他のハードロック・バンドと同等視させる誤解を招く)、

永遠の詩(狂熱のライブ)<2018リマスター>(2CD)

永遠の詩(狂熱のライブ)<2018リマスター>(2CD)

  • アーティスト:LED ZEPPELIN
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: CD
 

 

ロバート不調期‘72 USツアーの「伝説のライヴ」でもなく、

 

推しその1は、‘71日本ツアー初演、9月23日東京・日本武道館

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神の声があってこそ最強のZEP、‘70〜71が1番凄く、‘70 9月などは名演揃いですが、リリース前のⅣの曲がフィーチャーされてセットリストが充実した71年8-9月でも、日本公演初日が本命。

もしこれの公式盤が存在していたら、ディープ・パープル「ライヴ・イン・ジャパン」の評価は大きく違っていたと思います。

 

推しその2は、‘77 USツアー 6月21日LA、所謂“Listen to this, Eddie”。

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ギターとヴォーカルの全盛期の輝きこそ失われたものの、それと代わるよう冴えを増していったボンゾが引っ張ってバカテク集団が異常なテンションで繰り広げる後期ZEPの頂点。

 

ZEPにも映画話があるらしいですが、ZEPのステージは誰も再現不能だし、大音量と難解さゆえ間口が狭いZEPに「ボヘミアン・ラプソディ」的ヒットも期待できないので、そんなもんよりも上記をはじめとする音源をオフィシャル・クオリティでリリースして欲しいです。

 

無理だろうと思いつつZEPを追体験できるものはないもんかと、

Mr.Jimmy→グルーヴは無いですが、音色が素晴らしいです。亡くなったフランキー・バナリさんに代わって26インチを踏めるドラマーがいるのか心配で近日開催のライヴ参戦微妙に躊躇中。


[Achilles Last Stand] "Listen To This Eddie 1977" version / MR. JIMMY Led Zeppelin Revival

似ているとされる多くのバンド→グレタ・ヴァン・フリートは言われている程ではないと思います。ヴォーカルは他と違ってファルセットじゃないところがいいですが声が細いし、演奏が拙い。


Greta Van Fleet - Highway Tune

パートとして採り上げれば、Heartのヴォーカルは素晴らしいですが、
HEART - STAIRWAY TO HEAVEN Kennedy Center LED ZEPPELIN Digitaly_ReMastered SMix

ドラムは、息子を以ってしても代わること能わず。


Jason Bonham’s Led Zeppelin Evening-9/11/19-@ The Anthem In Washington DC

 

敢えて別ジャンル、ジャズからのアプローチで絶賛されているZEK ! Trio。

ピアノ1台であのギターとヴォーカルを担うこと、ジャズでZEPのテンションを再現することは、無理なんでしょう。1枚目を買ってガッカリ、2枚目は良くなったのではと期待して買ってガッカリ。もう次はないです。

 

結局のところ、YouTubeでZEPのブートレッグ聴く方がよいですな。

今晩は、’79 Knebworth(レッド・ツェッペリンDVD)を拝見して故人を偲ぶことにします。