甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

前脚が黒くなって帰ってきた小忍者

先週末、約4か月振りにGPZ400Rが帰ってきました。

 

(新しい姿)

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(以前の姿)

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6月に書きましたが、フォークオイルがまた漏れていたので、フロントフォークのオーバーホールに出していました。

前回車検の際に修理したばかりなのに2年も保たないのは、詰まるところ乗っていないからですが、動かすとインナーチューブの錆でゴムシールがダメージを受け、動かさないとゴムシールが固着劣化すると。

 

入庫ついでに、このタイミングで出来るお色直しをしました。

やること全部纏めてもよかったし、その方がトータルコストは下がるのですが、入庫期間が延びて乗れる時期を逃してしまうのも残念なので、2回に分けることにし、今回がオーバーホール第一弾です。

第二弾は、財布次第❗️時期未定‼️

 

メインディッシュは、フロントフォーク('89 ZXR400の倒立)のインナーチューブの再メッキ&DLCコーティングです。

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依頼先は、現在最高の技術を有すると目される、春日部のテクニクスです。

www.technix.jp

伝があってオーダーは直接しましたが、預けているバイクショップも取引があったので、取り外しから後は全部バイクショップにお願いしました。

 

ラジアルマウントのキャリパーが組めるZX-6Rあたりのフォークにしたい気持ちもあったのですが、それはそれでアナログの車速信号を取り出す方法を変えないといけないし(注1)、そもそも普及初期のアルミフレームと私の財布への負担が大きい。それで、今あるものを目一杯ブラッシュアップすることにしました。そもそも車齢34年の400ccにここまで奢る必要あるかどうかは関係ないです。

 

DLCコーティングで黒くなったインナーチューブに合わせ、アクスルブラケットとキャリパーサポートをグロスブラックにしました。

(変更前)

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(変更後)

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ここはアクスルブラケットをアルマイトできなかったので、ペイントです。

 

フロントフォークが、ゴールド→クロームシルバー→シルバーの90年代カラーから、ゴールド→ブラック→ブラックのモダンカラーになりました。

(変更前)

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(変更後)

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黒くなったことでキャリパーマウントも目立ち難いってもんです。

 

今となってはゴールドスポークのインナーローターのデザインが古臭いのですが、ディスクローターは次回の課題にしときます。

 

見えないパーツですが、ベースステムが大分汚れていました。これは、トップブリッジと一緒にアルマイトを掛けました。

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覗き込んでも綺麗って、気持ちいいです。

USBソケット(電源くんⅡ)の配線取り回しが以前より悪くなったのと、トップボルトの錆び取りをしなかった点は、ちょっと微妙でした。

ショップが私の嗜好をよく分かっている四輪(R32GT-R)の場合は、何も言わなくても「やっときました」で100%以上の仕事をしてくれますが、それの方が普通ではないのだから、仕方ないですね。

写真では偶々切れましたが、スロットルケーブルアジャスターのアウターが錆びています。これもステンレスのに換えないとダメだな、これも次回の課題。

 

あとは、、、アルミフレームにも錆由来の塗装浮きが目立ってきているし、外装ペイントも大分草臥れています。

エンジンは15年前の足回りチューンナップ時もタペット調整しただけで、クラッチもミッションも新車購入時のままです。

あとはやったのは大分前だけどメンテナンススタンドから落として凹ませたサイレンサーも巻き直したいし、前後ドライブレコーダーも付けておきたい。

ここでやることやって次の15年に備えよう、ってとこですね。オーバーホールできるだけのパーツが揃っているかどうかという心配がありますが。

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さて、このGPZ400R、1つ謎があります。

GPZは、初めてバイク雑誌のテストでコンスタントに最高速度が200km/h超えした4サイクルミドルです。最高は209km/h(モーターサイクリスト誌の86年5月号あたりだと思う。自分が持っていた。)、200km/hを切ったのは、同年もう少し後か翌年のオートバイ誌だったかの1回だけと記憶。

86年は他社もフル装備車(水冷16バルブ4気筒/アルミフレーム/フルカウル)を発売してきましたが、各社トップモデル中、重さでゼロヨンは最下位でも、空力で最高速はFZRだか以外にはまだ勝っていた記憶。当時は絶滅に向かっていると見られ、人気が無くて比較テストに採り上げられなかった2サイクルが、GPZより速かったかどうかは分かりません。4サイクルマルチと比べられる2サイクルってスズキのRG400Γしかなかったし、ノーマルじゃパワーの優位性ないし。

今のニンジャH2なんかもそうですが、そもそも飛行機やら新幹線(注2)を作っている川崎重工の空力技術は、他社とベースが違います。

で400cc車は180km/h出ないことになっていた当時は、まあ今の400はホントに出ないらしいですが、スピードリミッターは付いておらず、1989年辺りから付いたということになっているようです。

が、私のGPZ、レヴリミットまで1,000回転残した6速12,000回転・メーター読み200km/hに達すると、点火カットと思しき失火・パワーダウンに見舞われます。一度ならず再三ありました。トラブルじゃないです。一旦失速後すぐに加速できました。5速で同じ症状が出るのは、レヴリミットの13,000回転です。

スピードメーターは大体10%甘くなるといいますから、200km/hは実測約180km/hです。

あったんじゃないのかなー、スピードリミッター。

否定材料としては、配線図をざっと見たところではそれらしき記述がないことですが、80km/hで速度警告灯は点く(注3)ので車速信号は速度計以外にも流れているし、イグナイターの中身までは分かりません。

体験もしていない人が受け売った「無かった」よりも、体験している私の言葉の方が真実に近いのではないかと思うのですが。

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注1:電子式センサーで社外メーターに出力するのが簡単でしょうが、純正機械式メーターへの拘りがあります。

注2:中国に技術を漏洩したということで、JR東海から切られてますが…。

注3:86年3月に廃止された保安基準の規定があって、当時高速道での最高時速が80km/hに制限されていた自動二輪車は80km/hになると速度警告灯が点き、同100km/hの普通乗用車は、速度警告音がキンコンキンコン鳴っていたのです。