甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

本日はレッド・ツェッペリンの解散40周年

ああ、もうそんなに経ったのだなと。

ボンゾの命日にも似たようなことを書いていますが、やっぱり区切りの年なので。

「史上最強のロック・バンド」や「伝説のロック・バンド」といった枕詞を書くのは止めました。ちょっと勉強すれば誰でも分かることなので。

1980年12月は、ZEPの解散とジョン・レノン死去というポピュラー音楽界では2つの大事件が起きた訳ですが、ビートルズは好まない私が、12月8日にビートルズ或いはジョン・レノンを語ることはありません。

 

私はZEP体験のリアルタイマーではありません。

中学校の音楽室に‘LED ZEPPELIN Ⅳ’がありましたが、‘Black Dog’はさっぱり理解できませんでした。

解散後の1982年11月に発売されたFMラジオでオンエアされた「最終楽章」‘Coda’。

コーダ(最終楽章)

コーダ(最終楽章)

 

当時はFM情報誌ってのがあって事前に放送される曲が分かったり、著作権について大らかだったからでしょうがアルバム全曲放送されたりしましたが、ある番組で、ZEPのCodaと、オーストラリアのMen At Workが大ヒットを飛ばした「ワーク・ソングス」‘Business as Usual’から5曲ずつだったかな、放送されました。後者がオリコンチャートで4週連続1位をとったのが83年の3月末からなので、その頃、中学3年か高校1年のときでしょう。

ワーク・ソングス

ワーク・ソングス

 

 「ウェアリング・アンド・ティアリング - Wearing and Tearing」のドライヴ感に酔い痴れた後にユーモラスな「ダウン・アンダー - Down Under」が流れてくる展開がなんとも微妙でしたが、オリコン1位アルバムに入っていた2曲の全米No.1ヒットソングよりも、「ウィアー・ゴナ・グルーヴ - We're Gonna Groove」と「君から離れられない - I Can't Quit You Baby 」に私は衝撃を受けました。

 

「日本とレッド・ツェッペリン」といえば、やはり71年9月27日の広島公演でしょう。

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Hiroshima 1971 handbill - Led Zeppelin | Official Website Photos

MC糸居五郎さんの「東京2回、大阪2回の公演は広島公演のついで」というのは広島のファン向けのリップサービスかもしれませんが、

  • まだ新幹線が(新大阪より向こうには)通っていなかった当時に遠路はるばる広島を訪ね、
  • チャリティ・コンサートを開催し、
  • コンサート前に原爆資料館原爆ドームを見学して涙し、
  • 広島公演の収益の全額を被爆者支援のために寄付し、
  • 広島市長を訪ねた際の記者会見で、

僕たちが生まれたとき、すでに原爆は落とされていました。しかし、誰が悪い、ということではなく、それはすでに起こってしまったことであり、私たちと同じ人間の仲間が起こしたことです。私達には罪はないけれど、私達仲間の"過去”がやったことで、そのことに対して、やはり申し訳なさを感じます。そして、少しでも自分たちが、苦しんでいる人達の助けになればと考えたのです。
音楽は人々に平和と楽しさを与えるものです。その音楽をやっている僕たちが、少しでも力になれるなら、実に光栄だと思います。

(孫引きですが、ミュージックライフ誌1971年11月号より。)

と語った。こんなアーティストが他にいますかと。

 

10代なら許される共産主義にいい歳してのめり込んだまま反米・反日的な言動を繰り返すとか、今や絶滅したとは思いますがLove & Peaceを唱えて逃避行動に走るアーティストとかね、いますが、この最年長27歳〜最年少23歳の若者達を見習えと。

影響力のある大物アーティストでありながら政治的な発言をしないことから、左翼偏向ローリングストーン誌に嫌われ、アルバムを発売する度に酷評されていましたが、芸術家は自分の芸術で語る。かっこいいじゃないですか。

東日本大震災の際もね、シンディ・ローパーさんとか、プラシド・ドミンゴさんとかレディー・ガガさんとかね、有難い振る舞いをなさったアーティストさんがいらっしゃいましたけども。

 

まあ私はパリパリ左巻きのPFM、AREAもよく聴くわけで、芸術家の政治主張になんぞは所詮雑音と切り捨て、その芸術だけ傾聴すればいいだけですが。

 

ZEPの71年来日公演はどれも必聴アイテムです。広島公演は、2日休んだとはいえ東京で2日間合わせて5時間半も演った後なので、ロバートの声は荒れてますが、回を追う毎に進化するインプロヴィゼーションや、興奮した聴衆がステージに押し寄せてアンコールを中断する等当時のファンの熱狂ぶりが窺えるところが、出色です。

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ボンゾの死によって計らずも最後のツアーになってしまった80年の‘Over Europe’ツアー、さして評価は高くありませんが、6月29日のチューリッヒ公演は仲々の好演です。

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最終の最終7月7日は、ジミーがいよいよイマイチですが、奇跡のアンコールで有終の美を飾ります。

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何度聴いても再発見があります。日本海溝の如く深いZEPワールド。

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Knebworth 1979 (promo) - Led Zeppelin | Official Website Photos

 

レッド・ツェッペリンは永遠です。楽しみ尽くすには私の寿命の方が足りません。