タイヤ交換に続く5,000km区切りでのSK Pininfarina Disk チェック&メンテナンスです。年次OHは長時間の外仕事ができる季節じゃないと無理なので別のタイミング。
レコードチェーン
カンパニョーロのチェーンはシマノよりもロングライフだそうですが(高いんだからそうじゃないと困る)、2,000〜5,000マイルの範囲で使用限度が来ることが想定されています。
因みにチェックサイクルはMax3,000kmです。こちらはkm表示です。まあ3,000kmと6,000kmで計2回チェックしたら3回目来る頃は交換だよって感じですかね。(チェックの時間サイクルの方Max1ヶ月は無視しますが、最低限レベルのクリーニングは確かに月1回ぐらいか。)
私如きの脚力では上限いっぱい大丈夫でしょうが、クリーニング不足が耐久性に影響している可能性はあります。
うん、まだ大丈夫。
というのは正しくありません。11sチェーンの伸び許容限度は0.5%ということなので、0.75から対応のバイクハンドYC-503では測定できません。これはJekyll & Viale用に持っていたやつでした。
ノギスで測ります。
132.60mm上限のところ、132.00mmでした。問題なし❗️
未使用時の基準値を知りませんけども。カンパも上限0.5%という前提で逆算すると、全くと言っていい程伸びていません。2万kmくらいいけそう(笑)。
もし突然終わっても、在庫があるので大丈夫ですけども。
因みに上の写真と下の写真の間に、チェーン周辺はクリーニング&注油しています。
カセットスプロケットは、フィニッシュラインのギアフロスでクリーニングします。これオススメです。
チェーン、チェーンリングとRDガイドプーリーはペーパーウエスで拭き取ります。布を洗って使うなら別ですが、スコットが1番いいです。Amazonでなくアストロで買いますけど。
それからVipro'sのケイテンをリンクの1つずつに滴らし、余剰分を拭き取ります。
これは私の能力には多分にプラセボです。汚れてすぐ真っ黒になるので、ドライルーブの方が精神衛生上いいかもしれないんですが。
YC-503は11速には使えませんが、12速まで使えるチェーンチェッカーはこれです。
チェーンチェッカー専用品としてはCC-2なら一生モノです。
でもチェーンの伸びを測るためだけに4,000円も出すなら、デジタルノギス買った方がいいと思います。
私のノギスはミツトヨ、1万4000円くらい。
精度の高い工具は、精度の低い作業を最低限まで引き上げるため重要なんです。
H11ブレーキ(ブレーキパッド)
日曜日花粉を浴びながらの外作業(しかも体調不良でこの時間帯を除いては寝込んでいた)をチャッチャと済ませるため、写真ありません。稀少なカンパのディスクブレーキメンテなので撮って上げるべきなのですが、それはパッド交換時にするようにします。
日頃フロントを目視点検してパッド残量に問題ないことを確認して乗っていますが、先日のライドでまさかのリアから異音がしました。
リアが先とは全く想定外だなとか思いながらパッドを外してみたら、パッド残量は1/2ぐらいありました。ただ、そもそもパッドピンが通っているので想像もしていなかったのですが、インナーのパッドが浅入り/斜め入りしていていました。ローターで削れていない外縁部がブレーキング時にアウターのパットに接触して音が出たんだな。パッドの位置決めがラフだとは思っていましたが、自転車はクリアランスやセッティング範囲が厳しい割にはモーターサイクルより色々な点アバウトです。精度の高い仕事をするには経験やらノウハウやら要ります。
パッドを替えてもよかったのですが、原因が分かったし、カンパのパッドは1組5,000円もするので、取り敢えず対策して継続使用することにしました。
【メンテナンスの内容】
- リアのインナーパッドを均して段を取った
- パッド4枚全部面取りした
↑柔らかいレジンなのでヤスリ1本で簡単にできます。
- キャリパーとパッドをブレーキクリーナーで洗浄した
↑パッドを替えるだけならホイールを外す必要ありませんが、キャリパー内側をきれいにする機会なので、ホイール(ローター)とパッドが外れた状態にします
- パッド裏面にカーボンペースト(パッドグリスの代替)を塗布してから装着した
有機成分が塗装やらシール材やらを痛めたり動作不良や異音の原因になる恐れがあるディグリーザーやブレーキパーツクリーナーは使ってはいけません。
お勧めは、フォーミングマルチクリーナーを吹いて拭き取るとか、
あんまり入手性が高くないのが難点ですが、ディスクブレーキクリーナーを吹き付けるとか。
マックオフも成分的には大丈夫なことになっていますが、使い切った今は、自転車専用を謳うフィニッシュラインを数本在庫して使っています。
前後ホイールを外している時は、手の入り難い箇所まで車体をきれいにするチャンスなので、車体もクリーニングします。私のSK Pininfarina Diskはガラスコーティングしてあるので日頃は水拭きだけですが、ホイールを外した時は、水拭きの後にクリーニング効果と保護ツヤ出し効果のあるプレクサスを掛けます。
ギラつく程の艶を期待するならアーマオール、高級感のある艶ならオートグリム、プラスチックの小傷対策ならカワサキ純正プラスチックポリッシュ(今は業販用の20ℓ品しかない?)ですが、水洗い洗車をしたくないロードバイクにはクリーニング効果も高いプレクサスが一番バランスがいいと思います。
すっかりきれいになりました。
ホイールを装着したら、パッドを装着します。逆でもいいです。先にピストンを戻すのが大事です。専用工具もありますが、通常はマイナスドライバーです。
ホイールとパッドを脱着すると、どうしてもディスクとの当たりが変わります。元々ディスクとパッドのクリアランスは1mmもありません。というか1mmよりも0mmに近い、キャリパーブレーキ比1/10オーダーです。スルーアクスルの締付トルクを1N・m動かしただけで変わります。
微かにシャンシャン鳴るくらいなら放置しても実害ありませんが、引き摺ってホイールの回転に影響を及ぼしたらただでさえも遅いのが更に遅くなります。そもそもクオリティの低い仕事を晒しながら走るのはカッコ悪いです。インデックス調整不良でガチャガチャいうとかチェーン油膜切れでギシギシいうとか、まともなローディーは異音を出しません(注1)。
ディスクロード時代はもう1つ追加です。
「ブレーキパッドの接触音を出さない。」(注2)
キャリパー位置の調整が必要になります。
初回、SKを組んだ時は目分で(偶々)上手く合いました。が、マウントボルトを締める際にキャリパーが滑るので、合わせたつもりが締めたら合わなかったとか普通に起きます。
【キャリパー固定のTips】
- ツールに頼らない場合
→ブレーキを掛けながらマウントボルトを締める
- ツールに頼る場合
ディスクローターセンタリングツールってのが1,000円位で売られています。
→これをパッドとローターの間に挟んでマウントボルトを締める。ブレーキを掛けながらだと尚よい
コストと精度を考えると、代用品を考えるより専用ツール買った方が早いですが、25枚組位のシクネスゲージなら更にいいです。私が使うのは、グランジのセンタリングツール。
無接触無抵抗になりました。あくまで無負荷状態での話なので、乗って問題があったら再調整が必要ですが。
パッドを弄ったので、ブレーキレバーの引き代も変わります。ここはもう記載を省略しますが、ブレーキラインを一旦開放し、エア抜き/(それに伴う)フルードの一部入替もしました。フルードの全面交換はパッド交換時にする予定。
これで暫く大丈夫です。
注1:ラチェット音とかホイール反響音とかスプロケットとチェーンの噛み合わせ音とか、逆に普通の自転車からは聞こえない音もあるが。因みに「喘ぎながら必死でヒルクライム」というのは私にはない。
注2:熱膨張でパーツの動きが一時的に悪化するハードブレーキング直後やホイールの変形に由来するコーナリング時を除く。
注3:組込枚数が少ないと同一の厚みのセットを作り難いのでダメですよ。