こちらも一昨年に引き続くウィーン・フィルです。
例年のサントリーホール主催公演です。昨年もコロナ禍の折、ワレリー・ゲルギエフさんと共に来日され、北九州でも演奏されたことがクラシック畑では話題になったと思います。(私は見送り。)
スポンサーは昨年までの大和ハウスさんに代わり、同じ「大和」でも大和証券さんになりました。大和証券さんは、一昨年は「BBC Proms 2019 Japan」のスポンサーもされてましたし、辻井伸之さんのサポートもしてらっしゃるんじゃなかったかな。金融業界の中では音楽関係でのプレゼンスが他社グループよりもあるような。偶々かどうかは知りませんが、うちのグループは少なくとも音楽の世界では名前を聞いた記憶なし。
聴きたいと思いながら何故かこれまでライヴを聴く機会に恵まれなかった、リッカルド・ムーティさんが振ります。カラヤン、バーンスタイン、ショルティさんからクライバー、アバドさんに至る3世代の主な方々は聴き漏らしつつ、その次の世代はシノーポリ、レヴァイン、バレンボイムさんといったところは聴いているのですが、この方はまだでした。
元々の我が家の構想では、今年はNBSのオペラ・フェスティバルのウィーン国立歌劇場日本公演を狙っていて、オットー・シェンクさんの振る「ばらの騎士」とムーティさんの「コシ・ファン・トゥッテ」のどっちにしようかしらという感じだったのですが、そちらは中止になりました。まあオペラは来日する人数もオーケストラの比じゃないので仕方ないです。
ムーティさんも、ミラノ・スカラ座の音楽監督に就任した当時は気鋭の若手45歳でしたが、今や御歳80歳です。
因みにサントリーホール入場前は、ホテルオークラのオールデイダイニング「オーキッド」でサパーを摂りました。
軽く済ませるつもりだったのに、昼に銀座で高級なランチだった嫁(私よりも仕事会食が多い)が食べ切れずに残したため、1.5人前食べました。運動不足なのに。。。
店内の様子と、
止せばいいのにデザートまで完食します。
今度行ってみたい大倉集古館。
オークラからは徒歩でサントリーホールです。
席は2階後方のA席、34,000円@1人です。
でもすぐ前の手摺りまでS席だよなとか、ここでAならどこにBがあるんだよと思ったりしますが、オーケストラは高いです。オペラよりは安いですが、オーケストラは高いです。そうそう来日公演は聴きに行けません。
【プログラム】
モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K. 385「ハフナー」
シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D. 944「グレイト」
(アンコール)
ヨハン・シュトラウス2世:皇帝円舞曲 作品437
レビューです。
うん、何だろう。
凄くなかったな。
尖ってないんですね。初共演以来50年に亘る熟成の味と言うんでしょうか。私の持っている中では、晩年のカール・ベームさんとVPOの録音から受けた印象に近いです。
シューベルトの交響曲は結構長いので、各楽章が終わると皆さん一斉に姿勢を直して次の楽章に備えたようでしたが、私は殆どずーっと同じ姿勢で、すんごいリラックスして聴けました。
そんなに機能的でないVPOらしくて、むしろ本領発揮かなとか。
勿論モーツァルトの第2楽章のストリングスのppの美しさ、シューベルトの第2楽章の木管の美しさなどは流石にVPOでした。これだからメジャー・オーケストラの来日が重なると、他も聴けばよいものをまたウィーン・フィルにしてしまうのですけども。
アンコールは、アンコールには仲々な大作の皇帝円舞曲でしたが、やはりVPOのウィンナ・ワルツは絶品です。個人的にはニューイヤー・コンサートが世界的大行事になる以前のボスコフスキーさんの時代が一推しですが、巨匠ムーティさんの、外連味が少なく、祝祭的でない、極めて純粋な音楽としてのワルツも良かったです。周りは体が揺れている人が多かったので、私よりもダンスミュージックとして聴こえた人が多かったのかも知れませんけども。
堪能しました。
もはやこのクラスの巨匠は世にいません。そう思うのは、嗜好の中心がピアノに移ってオーケストラやオペラに疎くなったとか、皆んなが昔の方が良かったと思っているオールドファンあるあるとかであって、ホントに小粒化している訳ではないのかもしれませんが、私としてはムーティさんが最後の巨匠指揮者です。
さて、カッコいいイタリア🇮🇹爺さんですが、
カーテンコールは4回、オケがハケた後もソロで2回。ファンサービス満点のお茶目なムーティさんでした。
まだまだ頑張って欲しいです。
豪華パンフレットの販売はありませんでしたが、28ページものA5版小冊子付きでした。
次の音楽イヴェントは約1ヶ月後です。