甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル2021 at Suntory Hall

昨日は10月のラファウ・ブレハッチさんに続くピアノ・ソロリサイタルでした。いや、語順はソロ・ピアノリサイタルなのかもしれませんけども。

ツィメルマンさんも、ブレハッチさん同様2回目です。

 

ヴァイオリンを弾く嫁は特段ピアノを好んでいる訳ではないのですが、私の大好物のピアノ、問答無用で連れて来られます。

とは言え、甘い水が必要です。

f:id:ABi-R:20211213212717j:image

本日の夕食は、デザートのスフレが大きい新丸ビル4階のアフタヌーンティーでした。写真は既に突いた後ですが。窓からは仲通りを見下ろし、遠景には虎ノ門から赤坂の高層ビル街の前に国会議事堂、後ろに富士山という、景色のいいお店です。

丸の内仲通りのイルミネーションです。

f:id:ABi-R:20211213213002j:image

丸ビルのクリスマスツリーは、ハリーポッター仕様でした。

f:id:ABi-R:20211213212937j:image 

プロジェクションマッピングでグラフィックが変わります。
f:id:ABi-R:20211213212943j:image

新丸ビルのソファーコーナーなどもハリーポッター仕様になっていまして、新作映画のプロモーション中らしいです。私は興味ないですけど。

f:id:ABi-R:20211213212940j:image

 

本日の会場はサントリーホールです。

f:id:ABi-R:20211213213620j:image

館内もクリスマス仕様でした。

f:id:ABi-R:20211213213645j:image

同じS席でも、先日のオペラシティでのブレハッチさんよりもここでのムーティさんよりも大分前且つ内寄りです。ステージまでの距離は半分以下だな。文句なしにツィメルマンさんの顔(演奏中を除く)と右手が見えます。

f:id:ABi-R:20211212151101j:image

ピアノに映る左手もよく見えました。最前列の人の頭でペダルは見えませんでしたが。

 

【プログラム】

J.S.バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

 

地方公演と同じプログラムです。

アンコールはありません。

結構大きな曲4曲で、2時間を超えるプログラムですからね。

 

「今のツィメルマンを聴けるなんて一生モノだ❗️絶対行け❗️」と強要して山形公演に行かせた妹は、「全部ショパンならよかったのに」と曰いました。

普通の音楽ファン(ピアニストとしてのアシュケナージ好き)にバッハのピアノは退屈だったか…。それともツィメルマンさんのアプローチで聴くバッハが退屈だったか…。

 

それでレビューです。

バッハ:ブレハッチさんの、ときに宗教性を感じさせる崇高さと違って、ツィメルマンさんらしくあくまで音楽として磨き抜かれた美しいバッハでしたね。こういうのを好まない人も多いかもしれませんが、トリルなど多めのロマン派的な演奏で、彼の手に掛かればこうなるだろうという期待通りでした。特に2番のカプリッチョの高揚感は素晴らしかったです。

休憩20分

ブラームス:「枯れた」と解説されていますが、曲想の掴み難い内省的で陰鬱な印象のある曲は、ツィメルマンさんの透明感のある美しい演奏でないと、私レベルのリスナーには厳しいです。優れた演奏を聴いた記憶は残りつつ、一方曲自体の印象は、、、「音数は少ないが仲々の難曲だな」。

楽章間でツィメルマンさんが咳、客席から笑いというか、我慢していた人達多数も咳をして次に備えていました。

ショパンブラームスから一転してドラマティックなソナタ第3番、あー、これは確かに「全部ショパンならよかったのに」と思うわな。素晴らしい、実に素晴らしい演奏でした。華麗なることこの上なし。正統派演奏の至上を極めたブレハッチさんとはまた別の、究極のロマンティスト・ツィメルマンさんの真骨頂でしたね。

 

ショパンの第3楽章と第4楽章の間で、ツィメルマンさんは1回咳をして中座しました。喉が渇いて気持ち悪いってやつですね。ジンジャーティーのお陰か何ともない私は楽章間も曲間も休憩時間も咳ひとつしませんでしたが、特に乾燥するこの季節はこういうことありますね。会場内もここぞとばかりに咳払いをしてしていましたし。まさかのCOVID-19感染ではないと思いますが、本日は1ヶ月間の公演最終日、大分お疲れなこともあるでしょう。山形みたいな寒いところにも行かれたし、終盤は水曜サントリーホール、翌木曜西宮からまた月曜日にサントリーホールで締める厳しいスケジュールだし。

終演時は疲労困憊の様子でした。

 

アンコールはありませんでしたが、カーテンコールの最後、ツィメルマンさんはサンタクロースの装束で出てこられました。

 

今日も実によかったです。

 

本日で今年の音楽関係イヴェントは最後です。去年の2回よりは増えましたが、5回でした。

COVID-19禍の終息は未だ見通せませんが、with COVID-19の環境は整ってきて、重症化率・死亡率が大分下がってきています。そろそろ政策転換ではないかと思いますが、結局科学的アプローチは、批判の材料として摘み食いはしても提案には使わない野党・マスコミと、毅然たる態度を以て説明するよりも批判を回避したい政府・与党何れにも採用されることはなく、ザルな鎖国お茶を濁すんだろうなと。

昨年に続いて今年も延期されたパレルモ・マッシモ劇場来日公演のチケットは、来年は愈々中止・払い戻しになるんじゃないでしょうか。オペラ座は大所帯ですから。

 

フライヤーへのリンクです↓

https://www.japanarts.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/concert_925.pdf

 

プログラムへのリンクです↓

https://www.japanarts.co.jp/wp-content/uploads/2021/11/program_925_thum.pdf