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YES『危機』50周年記念ジャパンツアー初日 at Bunkamuraオーチャードホール

9月5日月曜日の記録です。

 

エスです。

前回2019年2月の結成50周年ツアーへの参戦は見送っていました。

そうしているうちに今年5月、ドラマーのアラン・ホワイト氏が亡くなりました。

私は、イエスに関しては所謂黄金期の2枚しか持っていないライトなファンなので、このラインナップでどうかなというところがありつつも、レジェンドであるスティーヴ・ハウ氏をやっぱり聴いておかないとね、と今回参戦しました。

 

今回は「危機」50周年記念ジャパンツアー、前回来日公演の初日も演っていますが、“Close to the Edge”の完全再現という触れ込みだし。

www.livenation.co.jp

 

オーチャード・ホールです。

2019年11月の“BBC Proms JAPAN”以来3年振りです。

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エントランスに「イエス」感は皆無です。クリムゾン、2018年11月のKING CRIMSONの時もそんなだった気がします。オーケストラ用のホールというよりも、そういうスカした感じがBunkamuraですけども。

ロックのコンサートなので、私1人です。

嫁はArti & MestieriとPFMのために川崎のCLUB CITTA'に無理やり連れて来られた以外、ロック・コンサートには同行しません。「プログレ四天王」のライヴを聴いたことがないのにユーロロックはあるというのも凄いな、嫁。

 

2階席の見下ろしなので、前席の人の頭が邪魔にならないです。素晴らしいな。プログレッシヴ・ロック全盛の世代は私より上、髪が薄くなった頭と、薄くなった頭を隠すためのキャップを被っているオーディエンスが沢山いて視界が見苦しいCLUB CITTA'と比べると新鮮です。

と開演前思いました。が、

座高の低い私、「後席の邪魔になるから身を乗り出すな」とのアナウンスにも拘らず私の前は(視界は切らないが目には入るその横の席も)身を乗り出すわ揺れるわで、結構邪魔でした。お陰でベースのビリー・シャーウッド氏はほぼ見えませんでした。スティーヴ・ハウ氏とジェフ・ダウンズ氏は、この人達が手を高く挙げて拍手している間以外はよく見えましたけども。

 

開演前のステージ・バックのスクリーンは、新作“The Quest”のジャケット by ロジャー・ディーンでしたが、演奏中は4Kか8Kか、鮮明な画像が流れていました。

写真はありません。撮影禁止ってすんごくアナウンスされているのに、写真をTwitterなどに上げている人が結構います。禁止です。私は撮っていません。

 

<メンバー>
スティーヴ・ハウ ‘Steve Howe’(G)
ジェフ・ダウンズ ‘Geoff Downes’(Key)
ジョン・デイヴィソン ‘Jon Davison’(Vo)
ビリー・シャーウッド ‘Billy sherwood’(B)
ジェイ・シェレン ‘Jay Schellen’(Dr/Per)

 

故アラン・ホワイト氏のメモリアルから始まったステージのセットリストは、以下の通り。

“On The Silent Wings Of Freedom”

“Yours Is No Disgrace”

“Does It Really Happen?”

“To Be Over”(アコースティック・ギター・ソロ)

“Wonderous Stories”

“The Ice Bridge”

“Heart Of The Sunrise"

“Close To The Edge”

“And You And I”

“Siberian Katsu”

(encore)

“Roundabout”

Starship Trooper”

「こわれもの」「危機」以外のアルバムからの曲は、Web Media ‘SPICE’の片山伸氏のレビュー記事からの引用です。

イエス来日公演ライヴレポート2022(by 片山伸)~スリリングなイエスが帰ってきた! 50年という年輪に違わない実力と進化を見せつけられた | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

以前言っていますが、YESは“Fragile”と“Close To The Edge”しか持っていない、“Yessongs"すら持っていないので、それ以外からの曲はさっぱり分かりません(ロンリー・ハートぐらいは分かりますが、この時代の作品は演奏しませんでした)。

 

レビューです。

MCはスティーヴ・ハウ氏が担当。

ベースがブリブリ前に出てくるところがイエスらしくていいです。

最年長御歳75歳のスティーヴ・ハウ氏は、早弾きはちょっと怪しかったと思いますが、それに余りある熱演ぶりでした。ESギターを持ち替え、シタールからスチール・ギターから様々な「あの」音色を繰り出されると感動せずにはいられません。

ジョン・デイヴィソン氏のヴォーカルは、特に初めはジョン・アンダーソン氏のファルセットに忠実と思わせつつ、よく馴染んでいだと思います。

個人的には、ドラムとキーボードには些か不満がありました。デュナーミクが単調じゃないかと思います。5人リードでリズム・セクションの明確な分業がなかったイエスでは、うねるリズムの中でドラムとキーボードが「とめ」「はね」「はらい」を入れて流れを束ねることで楽曲の構築性を保っていたと私は思っているのですが、ロックにおけるポリリズムの精華である「危機」が普通の4拍子に聴こえました。

良し悪しでなく、これが50年を経た現在のイエスかもしれません。

 

メンバーが続々と鬼籍に入り、オリジナル/全盛期メンバーでの演奏を聴くことは最早叶わない70年代の偉大なバンド群、バンド・サウンドにおけるGoing ConcernとかSustinabilityとは、このイエスユーライア・ヒープのようなあり方かもしれないな、という思いが私の脳裏に去就した一夜でした。

 

今どき珍しい豪華パンフレッドです。

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何と❗️5,000円もして、世界共通英語版。お陰で並ばずに買えました。

 

さて、COVID-19対策で、コンサート・ホールは制限退場です。対象ブロックを区切っての退場となります。私のブロックは、4〜5番目に声が掛かるブロックだったかな。

しかし、アナウンスを受けて私が席を立った時には、前も横も誰もいませんでした。彼らはアナウンスに関係なく早々に席を立っていました。いやー、クラシックでも守らない奴はいますが、守らない奴の方が多いところには初めて遭遇しました。それでも大半の人よりも私の方が渋谷駅に早く着くでしょうから、私にとっては自己中どもが無駄に邪魔をしてくれている訳ですが。

所詮はロックなんぞ聴いている連中、たとえ歳を取っても行儀が悪いのだ、お里が知れるということでしょう。

まあ私もロッカス、チャリンカスの一員に見られるということで、せめて自分の振る舞いは気を付けようと思いました。

 

注1:「ブルフォード」の方がより原音に近いと思うのですが、正式には「ブルーフォード」表記だそうなので、今回は正規表記しています。