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ダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタル 2023 at 東京オペラシティ

昨日は、今年2本目のコンサートでした。

 

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東京オペラシティです。前回サントリーホールに続き、この日も夕食の時間がありません。1階のイタトマJr.で、先着した嫁が確保した席でカプチーノとマフィン1個を流し込み、さっさと会場に入ります。

 

本日はダニール・トリフォノフさんです。

www.kajimotomusic.com

 

2010年ショパン・コンクール3位(2位が2人いてその次)、翌年2011年ルービンシュタインチャイコフスキーを獲った、若手の中でも最有望格とされているピアニストですね。

多分に漏れずグラモフォンからですが、既に結構な数の録音がリリースされています。

 

2月3回のリサイタルは、2種のプログラムで構成。サントリーホールではチャイコフスキー他のBプログラム、オペラシティはオール・バッハのAプログラム。ホールとしてはサントリーホールの方がいいのですが、プログラムからオペラシティの公演日を選択しました。

 

バッハなので、ショパンには食傷気味の嫁も参加。

 

《プログラム》

(第一部)

J.S.バッハブラームス編)
シャコンヌ BWV1004

J.S.バッハ
フーガの技法 BWV1080(途中まで)

(第二部)
J.S.バッハ
フーガの技法 BWV1080(途中から)
(*コントラプンクトゥスXIIとXIIIは基本形と転回形を両方、またXIVはトリフォノフによる完成形を演奏)
J.S.バッハ(M.ヘス編)
コラール「主よ、人の望みの喜びよ」BWV147

(アンコール)

C.P.E.バッハ:ロンド ハ短調 wq.59-4
W.F.バッハ:ポロネーズ第4番 ホ短調 F12-4

 

座席は、カジモト先行で思いの外いい席が取れまして。

1階1列目。90年シノーポリ/フィルハーモニア管、昨年オザンナの4列目を超える、砂かぶり席でした。

もうピアノはいいと言っている嫁を、最前列でバッハだから、と無理矢理誘い、今日は2人になったのでした。

 

パンフレットはB5版20ページ500円。

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コロナ禍ちょっと前のハリトーノフさんの時のオペラシティは2階までしか入れていませんでしたが、今日は3階席も開放。生憎完売には至らなかったようです。

 

シャコンヌと長いフーガの技法を途中で割ってが一部、フーガの技法後半とコラールで第二部。アンコールも2曲。

マテリアルはFAZIOLIでした。

 

演奏は、凄かったです。

アンコール終わるまで、メカニックについては完璧に弾ききったのではないでしょうか。

ここまでの集中力と技術は、驚異的だと思います。

こんな上手いピアニストがいるのか❗️と思ったくらい。まさにヴィルトゥオーゾという感じでした。

特にフーガの技法

ただ、個人的にはエモさをあまり感じない演奏でした。元祖のポリーニさんやさきのショパコンのブルース・リウさんを私はあまり好んでいないのと同じ理由。(嫁は「音がくぐもって聴こえた。もっと明晰なチェンバロの方が良いのでは?」と言ってましたが、それは席の関係かしら。)

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最前列だけあって指もペダルもよく見えたので、私は凝視、ひたすら凝視。眼が疲れました。

柔らかい音色のコラールに、耳が安堵した感じでした。ああ、こういう演奏もする人なのだな、と。

 

技巧という点では、ロンドの指の回り具合が凄かったです。ラフマニノフ的、リスト的な技巧曲とは違いますが、メタル的速弾きの極意のよう。「見れる」最前列を一番堪能したのはこれでした。

 

トリフォノフさん、髪がボサボサで、愛想がなくて、歩様はヨタヨタしていて、スーツも夏側スリーシーズンの薄いやつでした。若いのだからもう少しシャキッとして欲しいなとと思ったのですが、それは余計なお世話かしら。