昨日、いや日付が変わったので一昨日になってしまいましたが、東京オペラシティでした。
第23回を迎えた別府アルゲリッチ音楽祭の東京ステージ、日本生命presents ピノキオ支援コンサート「室内オーケストラ・コンサート」です。大分県別府を地盤とする音楽祭、アルゲリッチさんが東京で演奏するのは毎度このステージだけということで、初参戦の2019年第21回に続いて参戦しました。
公演スケジュールページのトップに、今回の音楽祭のテーマとなっている『ミーティングポイント〜違いを超えて』について、総監督アルゲリッチさんのメッセージが寄稿されています。
今回は、事務局から買うとどんなチケットになるだろう、と敢えてローチケでなくアルゲリッチオンラインで購入しました。
結果は普通のチケットでしたが、GS席23,000円は流石に結構前の方。
だそうです。
テレビ放送用のカメラは入っていなかったようなので、映像は固定カメラによる記録用、録音は販売するかもですかね。
後方の席は振り返っていないので分かりませんが、私の席から見上げる前寄り席は3階までほぼ埋まっていました。流石。まあこのホールの2、3階は座席がステージの方を向いていないというかなりの問題がありますけども。
冒頭、大分県知事から開会の挨拶がありました。
大分ってこの間選挙やっていたんじゃなかったかなと思ったら、この佐藤樹一郎知事は、大分市長を2期8年務めた後、この4月に県知事になったそうです。
〈プログラム〉
S. プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調 op.25〈古典的〉
I. ストラヴィンスキー:〈プルチネッラ〉組曲
Z. コダーイ:ガランタ舞曲
M. ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
〈出演アーティスト〉
ディエゴ・マテウス(指揮)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
水戸室内管弦楽団
ロシア、ロシアに舞曲ということで、室内楽編成ながらラウドな曲が続くオーケストラ・プログラムはあまり好みではない、などとワーグナー大好き、ショルティ大好き、何よりもレッド・ツェッペリン大好き人間がおま言うなことを言いますが、ガランタ舞曲の前半のグルーヴィーなところはすごく良かったです。やっぱり上手いな、水戸室内学管弦楽団。
そしてなんと言ってもラヴェルのコンチェルトです。アバド指揮ロンドン響盤もアバド指揮ベルリン・フィル盤も両方よく聴きます。と言う割に、今一つ取り留めなく感じる第2楽章は曲の良さも演奏の良さもよく分からないところですが。
この曲は、クラシックの「即興曲」というよりはポピュラーのインプロヴィゼーション的なスリリングな展開、特にピアノと他の楽器のソロとの絡みが聴きどころな訳ですが、こうした曲を、ジャズのようなタッチでなく確たるクラシックの奏法でオケとやり合うアルゲリッチさんの衰えぬエネルギーと創造性と演奏技術に、ファンとしてはライヴを聴く度に圧倒されざるを得ません。それにきっちり付いてくるオケも凄いです。
で、アンコールは、コンチェルトの第3楽章をもう1回。本編よりも速度を上げて更にスリリングな演奏でした。
ライヴを聴いた回数は、これまでアルゲリッチさん、ラファウ・ブレハッチさんとフリオ・キリコさんが3回で並んでいましたが、これで4回目になったアルゲリッチさんが単独トップ。2020年に2件中止になっているので、順当なら6回行っていたところか(クレーメルさんとの共演は見送っていたものが延期、代替公演に急遽行くことにしたものなので、順当なら実際には5回だったでしょう、多分)。
今年は4月のキャメルが中止になったので、残る予定は2020年から三度延期のパレルモ・マッシモ劇場6月のみとなりました。
ところで姐さん大分痩せましたかな。
5月23日公演を5月19日に振り替えるにあたってのメッセージに、こんなコメントがあります。
今年に入り心臓の治療のため、休養を余儀なくされました。
今は体調も回復し演奏活動に戻ることができましたが、担当医師の指導を受けながら健康維持に努めています。
何せ御歳間も無く82歳、お身体だけは最大限気遣っていただきたいです。
本公演には、第23回別府アルゲリッチ音楽祭の総合パンフレットが付いています。B5版66ページ、オペラのそれには負けますが、豪華です。
第21回は1,500円別売りだったので、チケット料金下げ2,000円と相俟ってお得感も増しました。
2つ折り4ページのフライヤーとオリジナルグッズカタログ。
大変満足しました。
で、演奏には満足しつつも、毎度ながらコンサート行くとどうしても何かしら一言言いたいことが出てくる私。
コンチェルト第2楽章のアルゲリッチさん独奏中にiPhone着信音を1回鳴らした人がいました。着信音聞くために2万円払っているんじゃないんだら、ちゃんと切って欲しいです。私は電源は切りませんが、音は切ります。
あとは真後ろの人が、顔が痒いんだか知りませんが、やたらメガネをカチャカチャいわせてうるさかったです。メガネ外して掻けばいいものを。喉の弱い私は偶に咳き込むことあるので、皆さんにご迷惑をお掛けしないかといつも怯えているくらいなのですが(今日はプルチネルラ演奏中曲間までどうしても持たず、演奏中1回咳が出てしまいましたが)。
⚪︎膝の上のパンフレットを落とす。
⚪︎動かず静かに居眠りする
×演奏中にガサガサ言わせながらバッグの中身を漁る
×起きているか寝ているかを問わずやたら頭を動かす
×いびきをかく
×バッグのファスナーを音を立てて引く
×その他演奏に集中していればしない筈の行動で音を出す
出さなくて済む筈の音を出す人達って、自分のロー・クオリティの耳では聴こえないんでしょうか。
至高の音楽の鑑賞を妨げるのだから、×付きの人は多少なりとも抑える努力をして欲しいですね。