7月13日日曜日
今日も晴天、気持ちのいい朝です。
朝食のデザートは、昨日ベルナシオンで買っておいたアントルメ・プレジダン'Antorme Président'と苺のタルト。4月に続いて今回もプレジダンを食します。
伝説のショコラティエ モーリス・ベルナシオン'MAURICE BERNACHON'氏のレシピを忠実に守ったリヨンの伝統。
うーん、美味しい。並のガトーショコラとは違います(比べんな)。
リヨン来たら必ず食べないとね(カロリー高いからやめた方がいいと思います)。
出発します。
いつものVクラスベンツタクシーは、11:00迎え予定のところ10分遅れでした。現地は3連休の中日、多少道路の混雑が増しているようです。空港には目論見より延着、€93.4。
リヨン・サン=テグジュペリ空港では、ラウンジサービスのない航空会社を利用するので、電源が通じたシートを探し回り、取り敢えず搭乗機とは別の搭乗待合室で確保、暫く滞在。
LCCのeasyjetの搭乗口は、これまでと同じT1ですが、地下通路(徒歩・冷房なし)で通じたアイランド。
地上も空調悪いです。シートありません。AC電源もUSB電源もありません。
仏伊間なんだからAFとかITAが飛ばさないのかよ、と思いますが、ヨーロッパ主要部の支線はルフトハンザ系のイージージェットが強いです。ルフトのサービスが付くならいいのですが、何もありません。
そして日本では沖縄ぐらいでしか記憶にないのですが、ヨーロッパでは普通の、外を歩いて機内に。
有料で優先搭乗付きのちょっと広い座席の筈ですが、狭いです。
尤もこの間のAFと変わりませんな。狭小な機材はこうしているのでしょうが、リクライニングしないのでこれ以上は狭くはならないという安心感はあります。
搭乗機EJU4417便は、1時間20分遅れの15時16分駐機場を離れ、15時27分離陸しました。
安定飛行に入るか入らないうちにワゴンサービスの準備が始まりましたが、水すら商品なので、手を出さず。
離陸が遅れたので、着陸も1時間以上遅れた16時58分。6km€25(高いけど相場)のタクシーに乗車して、17時43分、南イタリアの旅最初の訪問地、最初のホテルにチェックインしました。
フランスからイタリアに入るのはハンニバルの昔もナポレオンの昔もグラン・サン・ベルナール峠からと決まっている訳ですが、北イタリアやローマでなく南イタリアを目指す我らが上陸(というか着陸)したのは、南の玄関口、アッピア街道の終点、ブリンディジでした。
もーね、計画はまずこのブリンディジを訪ねることが前提なんですが、easyjetがリヨン-ブリンディジ便を就航させたのは、検討を開始した後でした。
まあバーリとかターラントの方が大きい街なので、後回しは仕方ないところ、飛ぶこと自体ラッキーでした。
観光するならバーリの方が普通にいいと思いますが、私はバーリに降りてもブリンディジ行くつもりでした。
そしてこのホテルは、グランデ・アルベルゴ・インテルナツィオナーレ・ブリンディジ'Grande Albergo Internazionale Brindisi'☆☆☆☆(Trip Advisorブリンディジのホテル24軒中5位)。
現在アコーホテルズの一員としてメルキュール・ブランドになっています。つまりは中級。メルキュールはアジア出張での利用経験が複数回あり、あとはうちの近所の中国人客が多い低価格ホテルIBISがアコーなので、アコーホテルズってアジアの会社だと思ってました。フランスだったのね。会員証を提示するの忘れてました。
利便性は駅近の方が高いでしょうが、港に面したこここそがベストだと思います。
大理石の床の広ーい部屋。
勿論洗面所(バスはシャワーのみ)は総大理石です。どっかのテレビでカラーラに住む日本人の方が「イタリアでは天然石パネルはタイルより安い」と身も蓋もないことを仰っていましたが、そうは言っても豪華です。
地面が近く感じられますが、普通に人の頭より高い1階(日本でいう2階)の部屋からの景色。
もういい時間なので、早速散策&夕食のため、ホテルを出ました。
すぐ隣に、無料の小さな博物館がありました。'Palazzina del Belvedere - Collezione Archeologica Faldetta'(TAブリンディジの観光 90件中16位)。
港に潜るとこういうのが色々出てくるんでしょうな。
無料ですが、こういう私設ミュージアムが良かったと思ったら、€2でいいから寄付しましょう。
ここは「アッピア街道終点の円柱」'Colonne Terminali della Via Appia'(TA ブリンディジの観光スポット90軒中2位)「ウェルギリウスの大階段」Scalinata Virgilioに隣接し、テラスからの眺望が素晴らしいのでした。
ウェルギリウスってのは、あの「アエネーイス」'Aeneis'のラテン文学界の超巨人、ウェルギリウスね。
共和政末期から帝政初期のローマに生きた彼は、アテナイからの帰路に病に倒れ、紀元前19年、この地で亡くなったそうです。
そしてこの階段が面しているのは、嘗てのブリンディジ港、「街道の女王」アッピア街道'Via Appia'の終点です。
たとえ今立っている円柱が後代の複製(オリジナルは博物館にあります)であっても、イタリア海軍本部がターラントであっても、周辺の最大都市はバーリであっても、ローマ帝国オタクはここを訪ねないといけないのです。
建築様式にノルマンが入っているので年代が分かり難いのですが、このエリアの整備は、割と新しい新古典、18世紀頃じゃないかな。
と思いつつも、2千ウン百年前からギリシア、エジプト、ビザンティウム或いはエルサレムとローマの間を往来する幾多の人々がここを通っていたのですな。ここに佇んでいると、遥か500km先のPorta San SebastianoやVia Appia Anticaの石畳が目に浮かびます(海の向こうのギリシャもエジプトもトルコもイスラエルも行ったことがない私は、そっちはまるで浮かんでこない)。
が、そんな趣味はない嫁がこんな何もないところに延々と居られる訳もなく、早々に退散してディナーにします。
19時30分に予約しておいたのは、ホテルから程近い、海岸から路地に入ったところにある「ラ・ロカンダ・デル・ポルト」'La Locanda del Porto'(TAブリンディジのレストラン334軒中3位)。
テラス席というか路地席。まあやっぱり夏の夜は外がいいですね。
ムール貝のソテー。ムール貝の出汁が効いたスープに、パンも進みます。
お店のサイトに載っていて美味しそうだったマグロのカツレツ。
美味しかった。うーん、やっぱりイタリアの食は完璧。
2人で3品、€70。
付近を散策した後通り掛かった際のお店の前の様子。
その後北側の入江に面した通り'Lungomare Regina Margherita(Google Mapでは’Lungomare di Brindisi’、「マルゲリータ王妃の」か「ブリンディジの」かは別として、要は海岸通り)'(TAブリンディジの観光 90件中4位)を奥に、イタリア海軍基地まで散策しました。
サン・ジョルジョ級強襲揚陸艦1番艦「ブリンディジ」(場所から考えるとそうでしょう)。
ここは端なので静かですが、この通りが市内で一番賑やかなエリアじゃないかな。
そしてホテルに戻りました。我らの部屋は1階(日本でいう2階)右端の窓2つ。
あら、ここは10年程前まではミシュランガイドに掲載されていたようです。
☆5ホテルのないブリンディジでは最高級の☆4ですが、圧倒的な立地の歴史的建造物で150年営業してますからね。それがメルキュール・カテゴリってことは些か没落した観もありますが、価格にミシュラン・プレミアムが乗らないのはそれはそれで助かります。
おやすみなさい。