DE ROSA SK Pininfarina Disk + Campagnolo Record EPS DB 自組。アッセンブリー5日目その3。
大詰めの作業、前回より更に長い、無駄に大長編です。
24.ディレイラーのアジャストメント
用意するもの
・概ね完成に近付いたデローザ SK Pininfarina Disk(エルゴパワーもディレイラーも込み)
・カンパニョーロ UT-FD120(FDアライメントツール)
・カンパニョーロ AC14-BCEPS(EPS V2/V3 バッテリーチャージキット)
・カンパニョーロ AC12-CAUSEPS(EPS ケーブルパワーキット)
・7mm四角ナット対応ツール(私のはトネの8角ソケット)
・2mmHEXレンチ
・+でも−でもいいけどドライバー
チャージキットはV2とV3共通です。カンパニョーロだと思えば驚きも減じますが、価格は1,350円でなく目を疑う13,500円。EPSの診断機能が付加価値のようです。
ネーミングがイマイチ意味不明な別売り電源ケーブルは、英系ガイツーで買うと三芯のゴッツいBFプラグが来るので、日本で買うか、これに1,200円も出すのは勿体無いので適当な家電製品の余りを流用(注1)しましょう。
campagnolo(フリガナ: カンパニョーロ) EPS V2/V3 バッテリーチャージキット 289590001 AC14-BCEPS ケーブルパワーキット必要
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campagnolo(フリガナ: カンパニョーロ) EPS ケーブルパワーキットコンセント先端 264780001 US(JAPAN) AC12-CAUSEPS
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前行程は、
フロントディレイラーのアッセンブリー
liprofumodellarosa.hatenablog.com
リアディレイラーのアッセンブリー
liprofumodellarosa.hatenablog.com
あとEPSケーブルやチェーンの装着も前行程ですが。
(1)事前の準備
①チェーンの注油
洗浄したということもあり、注油が必要です。Jekyll800ではAZのB1-003を使っています。「汚れ難い」をキーワードに見付けたもので、特に悪くないのですが、SK Pininfarina DiskにはViprosのKEITENを奢ってます。まあチェーンオイルの性能は、一定レベルから先は多分にプラセボだと思います。
Vipro's(ヴィプロス) Keiten(ケイテン) 対高荷重型超低フリクション自転車用オイル 60ml VS-675
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これを付属のスポイト使って射しますが、まだ多くて相当拭き取っている状態。仕方ないのかスポイトの性能なのか私の技術なのか不明。
②EPSの充電
ワイヤリングした直後に充電して「動く」かどうかだけは確認済。
EPSコントロールユニットのゴムキャップを開いてチャージケーブルを接続します。
チャージケーブルのアダプターはこんな感じ。
正確に接続することを目的として、コネクターの一方にはガイド、他方には溝が作られています。先端を接触させた状態でケーブル側を回していくと、これが合ったところでスルっと縦に入ります。それからケーブル側のリングを回して締めます。
充電中はEPSコントロールユニットはグリーン点滅。
チャージキットは2灯、左(下)のグリーンは充電器の動作インジケーター、右(上)のオレンジは充電インジケーター。充電を開始すると両方点きます。
充電を終了すると、EPSコントロールユニットはグリーン点灯(写真では違いが出ないので省略)、チャージキットは、オレンジが消えてグリーンだけの点灯になります。
トラブルがあるとオレンジが点滅するらしいですが、幸いそうした事態に遭ったことがありません。
コントロールユニットは初め両面テープで貼っていたのですが、走行時に剥がれ落ちるし、充電時も重くもないチャージユニットに引っ張られるので、REC-MOUNTに吊る方式に変更しました。
別に何ということはない写真ですが。
以下、アッセンブリー当時はこの工程をあまり撮っていなかったので、実際には今日メンテ時に撮影し直した写真を使ってます。
(2)フロントディレイラーのアライメント
アッセンブリー時仮留めだったディレイラーの平行出し(チェーンはインナーにセット)、ディレイラーとチェーンリングの高さ出し(チェーンはアウターにセット)をします。
①ディレイラーのガイドプレートとチェーンリングを平行にセットします。ディレイラーマウントナットを締めるとディレイラーが後閉じ側に動くため、それを意識し過ぎると後開きになりがちなため、移動量を織り込んで位置決め、締め込みを行います。
②アウターリングとガイドプレートの上下クリアランスを1.5-3.0mmにセットします。結構ナローレンジですが、アッセンブリー#7の写真の通り、セッティングシールがあるので結構簡単。①と②を1本のナットで固定するので、位置関係を三次元で捉えましょうってところですかね。
③より簡単に正確な作業を行うため、ツールを使います。(当初は使っていません。)
campagnolo(フリガナ: カンパニョーロ) UT-FD120・フロントディレイラーアタイメントツール
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「アライメント」が「アタイメント」になっていますが、これは出品業者のミス。ツールはアウター50T用とアウター52-53T用の2個1セットです。
・チェーンをインナーにセットします。
・ディレイラーマウントナットを緩めます。(四角ナットが2つ並んでいるうちの上側です。ちなみに下側のナットはチェーンガードをマウントしていますが、こちらは邪魔なので、作業中は外します。)
・アライメントツール(私のは53Tなので52-53T用)をアウターリングに載せます。
・クランクを逆回ししてツールをガイドプレート内に引き込みます。
・はい、きれいに平行です。上下のクリアランスもピッタシです。線がガイドプレートより外ですが、この後にFDをセッティングするので、平行であることさえ確認できれば問題ありません。
・因みにこの線は溝になっており、ディレイラーのセッティングが100%だとここにガイドプレートが綺麗に通るのかもしれませんが、セッティング後には測定していないし、そもそもワイヤーコンポとH11では内外チェーンリングのディスタンスが0.2mm違うので、拘る必要ないと思います。
・マウントナットを締めて終了。
・この後チェーンガードをセットしますが、チェーンが落ちないよう(狭く)、インナーに変速した際チェーンが接触しないよう(広く)、適当な位置にセットします。
(3)EPS充電状態の確認
作業に十分な程度に充電されていることはわかっているのですが、EPSの充電状態を確認します。
左右どちらでもいいのですが、エルゴパワー内側・レバー3(親指用)後方のモードボタンを短押しすると、充電状態がわかります。
EPSコントロールユニットのLEDインジケーターは、グリーンの点滅を示しています。(写真では点灯と点滅の区別が付きませんが)
テクニカルマニュアルを見てもレッド点滅(充電6%未満)しか書いていないと思うのですが、LEDの表示でバッテリー充電レベルが分かります。
グリーン点灯:100〜60%
グリーン点滅:60〜40%
イエロー点灯:40〜20%
レッド点灯:20〜6%
レッド点滅+警告音:6〜0%
→即ち現在は大体半タン状態です。
(4)リアディレイラーのアジャストメント(ゼロセッティング)
①フロントをアウター、リアをトップから2段目にセットします。
②左右エルゴパワーのモードボタンを約6秒同時押しし、EPSをゼロセッティングモードにします。(approximately 6 secondとか私の知らない単語使ってますが、実際には7秒必要。)
③EPSコントロールユニットのインジケーターはブルー点灯になります。
点灯と書いていますが、次に撮影した写真では消えているので、暫く点灯してモードを表示した後節電のため消灯するのかもしれません。いずれにせよ、ブルーが点かないと失敗。(左右同時にきっちり押し込まないと失敗です。結構失敗します。8秒押しても点灯しなかったら押し損ないなので、やり直し。)
④トップ側アジャストメント
右エルゴパワーのレバー2,3でリアディレイラーを調整します。
カンパニョーロのシフトレバーは前後ともレバーを押した方向にディレイラーが動くようになっています。
レバー2:ブレーキレバー裏のレバー。左レバーならフロント上げ(→)、右レバーならリア下げ(←)。
レバー3 :エルゴパワー内側の親指用レバー。左レバーならフロント下げ(←)、右レバーならリア上げ(→)。
シマノのDi2もSRAMのeTAPもよく知りませんが、レバーとディレイラーの動作方向がシンクロしているカンパニョーロは分かり易いと私は思います。
ガイドプーリーの位置をトップ2ndギアの真下に合わせます。(ゼロセッティングでは、レバー1クリックでディレイラーが0.25mmスライドするらしいですが、テクニカルマニュアルにはスライド量の記載はありません。)
撮影するアングルで変わる(=見るアングルでも変わる)ので精度は何とも言えませんが、これで真下です。私が真下だと言っているのだから、真下です。
(正直なところ目視というのは信用ならず、耳の方が確かなので、トップ側とロー側とで異音が出始めるレンジ(レバーのクリック回数)を確認し、その中間に合わせる、という方が簡単だと思います。これでもうまくいきます。(マニュアルに書かれていないので自己責任です。))
⑤エルゴパワーのモードボタン(左右どちらでもよい)を短押しし、リア側アジャストメントに移ります。
モードが切り替わると、インジケーターはホワイト点灯になります。
⑥右エルゴパワーのレバー2を押してリアを10段目(2ndロー)まで落とします。1クリックずつだとキリがないので、ウルトラシフトよろしくレバー2押しっ放しで一気に下げた方が早いです。但し、オーバーランさせてチェーンをホイール側に落とさないよう注意。
⑦ロー側アジャストメント
やることは④と同じです。レバー操作の方向も同じ、レバー操作への反応も1クリック0.25mm(恐らく)で同じ。(2ndロー)の真下にガイドプーリーを合わせます。
はい、ピッタリ真下です。私が真下に見えるのだから、真下です。(チェーンアングルが大きいロー側の方が、異音検知方式が効きます。)
⑧エルゴパワーのモードボタン(左右どちらでもよい)を短押しし、リアのアジャストメントを終了します。
インジケーターはブルー点滅した後消灯します。
(5)メカニカルストップスクリューのアジャストメント
リアディレイラーのアジャストメントが終了したら、メカニカルストップスクリューのアジャストメントを行います。これはスプロケットからイン側にチェーンを落とすとスポークに接触する恐れがあるため、リアディレイラーの動きを制限し、イン側へのオーバーランを防止するためのものです。
2mmHEXで時計回りにスクリューを締め、底付きしたところから半回転戻します。
工程はEPSのマニュアルでなくワイヤーコンポのマニュアルにしか載っていないのですが、高速且つ正確なシフトのため、スプロケットとガイドプーリーのクリアランスを調整します。プーリーのハンガー部にあるスクリューを回します。
適正値は5〜7mmです。
できました。手でディレイラーを動かした状態なのでチェーンが弛んで見えますが、クランクを回してディレイラーの位置を落ち着かせてから測ります。
(7)フロントディレイラーのアジャストメント(ゼロセッティング)
①フロントをインナー、リアをローにセットします。(←ここはリアのアジャストと違います。)
②左右エルゴパワーのモードボタンを6秒以上同時押しし、EPSをゼロセッティングモードにします。
③EPSコントロールユニットのインジケーターはブルー点灯になります。
④フロントアジャストメント
左エルゴパワーのレバー2,3でフロントディレイラーを調整します。チェーンと内側ガイドプレートとのクリアランスを0.5mmに合わせるということになっています。
フロントはレバーの1クリックでディレイラーが0.1mmスライドするらしいですが、これもテクニカルマニュアルには記載ありません。この情報が正しいとすれば、チェーンが接触するクリアランスのところから5クリック分内側に動かせばいいということになります。リアと同じ0.25mmでは2クリックなので、アバウトに過ぎる(=0.1mmが正しい)と思います。
こんな感じ。
尚、チェーンはこの後洗浄、注油しています。
⑤エルゴパワーのモードボタン(左右どちらでもよい)を短押しし、フロント側アジャストメントを終了します。
インジケーターはブルー点滅した後消灯します。
以上でディレイラー調整は終了です。
あとは前後・上げ下げ操作し、動作に異常がないか確認します。空走と実走とではトルクの掛かり方が違うので、実走でイマイチ合っていないと感じられた場合は、実走で調整します。
EPSは、ゼロセッティングした後の微調整ができるようになっています。
以下はアッセンブリー時の工程ではないですが、ディレイラーのライディングアジャストメントとしてマニュアルにも記載されているので、説明しておきます。
(7)リアディレイラーのファインアジャストメント(ライディングセッティング)
①左右どちらかのモードボタンを約6秒押します。
②EPSコントロールユニットのインジケーターがパープル点灯になったのを確認します。
③右エルゴパワーのレバー2,3を操作してディレイラー位置を微調整します。1クリックで0.2mm動きます。(マニュアルでリアディレイラー移動量が記載されているのはこの件だけです。これに依拠すれば、ゼロセッティング0.25mm/ライディングセッティング0.1mmという差異はなく、移動量は0.2mmで共通ということになります。)このアジャストメントは走行中でもできますが、乗車中はインジケーターを確認できないので、②の後に走り出すのが現実的でしょう。
④微調整が終わったら、モードボタンを押して終了します。もし終了ボタンを押し忘れてもライディングセッティングモードは操作後90秒で保存・解除されます。
(8)フロントディレイラーのファインアジャストメント(ライディングセッティング)
①左右どちらかのモードボタンを約6秒押します。
②EPSコントロールユニットのインジケーターがパープル点灯になったのを確認します。
③左エルゴパワーのレバー2,3を操作してディレイラー位置を微調整します。1クリックでの移動量は0.1mmと細かい点がリアと違います。他は同じ。(マニュアルでフロントディレイラー移動量が記載されているのもこの件だけです。これに依拠すれば、ゼロセッティング/ライディングセッティングに拘らず、移動量は0.1mmで共通ということになります。この辺は、私のよりも古い記事が間違いなのかどうかというよりも、記事のEPSはみなV1orV2ベースであり、EPS V3は私のだけ、という違いからきているのではないかと勝手に推測します。他に誰も書いていないということは、V3にバージョンアップした時点で既にCampagnolo EPSに対する世の関心が失われているという観がなくもないですが。)
④微調整が終わったら、モードボタンを押して終了します。もし終了ボタンを押し忘れてもライディングセッティングモードは操作後90秒で保存・解除されます。
ということで、アマチュアによるCampagnolo Record DiskBrakeコンポーネント装着もCampagnolo EPS V3セッティングも終わりました。特に難題なく終わりました。
アマチュアでもできます。ワイヤーコンポよりも簡単にできます。自組みでワイヤーディレイラーとかワイヤーブレーキとかセットできませんでしたよ、きっと。EPS DBだから簡単にできました。
あとはペダル装着、計量と試走が残るのみ。
ところでディレイラー調整、シビアなセッティングを要求する割には目視です。レーザー墨出し器を買おうかと思ったりしますが、1万円前後の製品で満足いく精度が不明なので、躊躇してます。別目的で自転車にレーザー墨出し器を使った人の記事は何本か存在しますが、如何せん情報が少ない。お金に余裕があるときに考えることとします。
ということで今日は、清掃(拭いただけ)とディレイラーのリセッティングをしていました。週末2日間の走行は土曜日朝のZwift1時間34kmのみ。土曜日朝雨が降ったというのもありますが、風邪が段々悪化し、Zwiftを1時間で終了、以後は予定していた献血にも行かずに寝込んでいたというのが実態。
パーツの写真ばっかりだったので、全身像2枚貼って今日はおしまい。
注1:パワーキットの電流量などタカが知れているので、日本向けに売られている品質のケーブルなら危なくないです。