10月14日は、川崎はクラブチッタにやって参りました。
オザンナ初参戦でした。
彼らの来日公演は、2010年、11年、15年に続く4回目だと思います。
「CITTA’WORKS PRESENTS SUPER LIVE 2022 THE BEST OF ITALIAN ROCK VOL.11
OSANNA(オザンナ) 50th Anniversary Historical Best Live featuring PALEPOLI Theatrical Performance」
という異常に長いタイトルが付いていますが、要点は、
- バンド結成50周年
- 「パレポリ」劇場公演完全再現
です。
【来日メンバー】
Lino Vairetti / vocal, acoustic guitar
Gennaro Barba / drums
Pasquale Capobianco / electric guitar
Enzo Cascella / bass
Sasà Priore / piano, organ, synth
Irvin Luca Vairetti / vocal, vintage keyboard
Special Guest: David Jackson / sax (from VDGG)
オリジナル・メンバーはリノさんだけですが、2010年の初来日もこのメンバーを揃えているので、盤石の布陣と言って良いのではないでしょうか。
公演公式サイト
バンド公式サイト
オザンナは、ワタシ的に「ピーク時のアルバムは全部持っていてよく聴く」グループに入るイタリアン・アーティストです。
「パレポリ」が最高傑作とされていますが、後期のジャズ色やアルバム「パレポリ」に代表される古都ナポリの地下迷宮の如き先史的ダークネスでなく、いわば表ナポリ、所謂カンツォーネをロックの強いビートに乗せたノリにあると思う私は、割と後から聴くようになった方ですがファースト「L'Uomo」がお気に入り。ベストチョイスは「Prog Exhibition(Live in Rome 2010)」、ここ最近多く発売されているライヴ・アルバムもいいです。Prog ExhibitionではThe Tripと並ぶワタシ的2枚看板です。
オザンナは初期からフェイス・ペインティングをしています。多分KISSなどの所謂コープスペイントとは違う、‘Commedia dell'arte’の系譜を引いているのだと思います。リノさんはPulcinellaの仮面も手にしているし。
座席は先行の抽選だったと思いますが、かなり前寄りセンター寄りでした。
テレビに映ってたくらいステージに近かった90年のシノーポリ/フィルハーモニア管のマーラー「千人の交響曲」以来でしたね。
お陰で、センターのリノさんを隠すものは彼の足元のモニター・スピーカーだけ。舞台で見えないのは、リノさんの後ろが故に陰に隠れることが多かったドラムのジェンナーロさんのみ。
表情までよく見えました。
セットリストです。
第1部
Spirit〜Il Diedro del Mediterraneo
Intro〜Intro Animale〜Mirror Train
L’Uomo(including “Stair toHeaven”guitar solo & “Purple Haze”)
Il Castello Dell'es
Ce Vulesse Ce Vulesse
Milano Milano Calibro 9 Suite(Preludio〜There will be time〜Preludio)〜ルイス・エンリケス・バカロフ(2017没)へのオマージュ〜
'A Zingara
Vado Verso Una Meta
Theme One
'A Zingaraなど“Suddance”収録曲あたりの識別はちょっと怪しいです。
第2部
Parepoli劇場公演版
Oro Caldo~Stanza Citta
Animale Senza Respiro
Signori della Terra〜平和の意を込めたというようなMCがありました〜
Non Sei Vissuto Mai〜ダニロ・ルスティチ(2021没)に捧ぐ〜
Ti Ritroverò
L'Uomo del Prog
リノさんと長い付き合いというフランチェスコ・ソンデーリさん(ミュージシャン兼ギター製作者)がステージに上がり、故ダニロさんに捧げるギターのオークションの案内
Tu
Male Nostrum
Oro Caldo〜Fuje ’A Chistsu Paese〜Oro Caldo
ステージの進行についての記憶は間違いないですが、故ダニロさんのところの“Il Diedro del Mediterraneo”収録曲は記憶が曖昧でボーナスCDを参考に補記したので、違っているかもしれません。
進行的にはここからアンコールっぽく、
Italian Progressive Rock Medley
Non Mi Rompete〜フランチェスコ・ディ・ジャコモ(2015没)に捧ぐ〜
Il Banchetto
Luglio, Agosto, Settembre (Nero)
Non Mi Rompete(Reprise)
Theme One
Everybody's Gonna See You Die
以上正味3時間10分程の熱演でした。
期待通りの素晴らしいステージでした。
個人的に特に期待していたデヴィッド・ジャクソンさんのツインSaxに代表される管楽器もよかったし、サッサさんのハモンドオルガン、モーグシンセにKORGのエレピもよかった。メロトロンの音が聞こえたのは息子ルカさんの方からかと思いましたが、どうやらサッサさんのよう。LED ZEPPELINの「天国」ギターソロや速弾きを繰り出すパコさんのギブソンSG弾きまくりもよかったし、ガチガチ手堅いジェンナーロさんとエンツォさんのリズムセクションもよかった。ルカさんのサイドヴォーカルもよかった。勿論若々しいリノさんのヴォーカルは素晴らしかった。
まあどっか腐すとすれば、「劇場公演完全再現」がそれなりのステージセットを用意するのかと思ったらコスチュームが第1部の黒装束から各人色違いのケープになっただけだった点と、パレポリのサウンドが若干こじんまりしていた点ですかね。ここは息子のキーボードがもっと参加してギターをフリーにさせた方がいいと思います。
オザンナの真骨頂である、畳み掛けるノリの良さ、これは定番ですが特に第2部フィナーレのFuniculì funiculàから'O sole mioまで突っ込んだメドレーの流麗さ、素晴らしかったです。
嫁を連れてくるんならArti E MestieriよりもOsannaだな、明らかに。
音楽的な感動は、今年は6回と些か寂しいコンサート体験の中ではありますが、3月の小林愛実ちゃんと双璧かな。あくまで私の感想ですが、Yesよりずっと良かったな。
本公演のパンフレットはありませんが、配布物は、
- 特典CD(22年2月ローマでのライヴ)
- 本公演のフライヤーと、ゴブリン(参戦見送り)とキャメル(参戦決定)のフライヤーが微妙に嬉しいです
最後にルカさんは「来年も来るよ」と言いました。
私も来年また来るぞ。絶対来いよな。