甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

ショパンコンクール 三次予選完聴、あとはファイナルを待つのみ

ワルシャワフィルハーモニーホールの写真はなくて、オペラハウス。

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チョコレートの名店e.Wedelの本店。
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10月16日 Evening Session

www.youtube.com

もうここの3人全員が三次予選を通ったという結果を知ってますのでね、その事実や他人様のレビューなどに多分に影響を受けているに違いありませんけども、ここまで来たら全部聴くぞと、書くぞと。

 

Jakub Kuszlik:スタインウェイ479です。二次以降に残ったポーランド勢9人の中では、この方が最も正統派な演奏ではないでしょうか。マズルカ第21番Op.30-4など、非常にメランコリックな美しさがありました。ピアノソナタ第3番は、第1楽章をもう少し弱いアタックで入っていった方が流麗になったんじゃないかなと思います。地元の期待の星(←もう1人残ったKamil Pacholecさんが期待程のパフォーマンスを見せていないので)だと思うのですが、拍手が短く、トップバッターだったせいなのかあまり聴衆ウケしなかったのかは分かりません(↑という結果を知っていますが、知らなかったら多分→を付けましたね)。

 

Hyuk Lee:カワイです。最初の変奏曲は、もっとリズムが跳ねる方がモーツァルトらしい軽やかさが出ていいと思うのですが、少し重かったです。ピアノソナタは、特に第3楽章が美しく静謐さを感じさせたものの、人工的で無機質な印象がありました。21歳はコンテスタントの中では格別に若い訳ではないですが、音楽の掘り下げに悪い方の意味で若さが出たかなと思いました。二次予選で聴かせたパッションはどこへ行ったかな、という感じで、結果を知らなければ↓を付けたと思います。

 

Bruce (Xiaoyu) Liu:ファツオリです。綴りからも読みに近い「ファツィオリ」と表記すれば良かったなと、意外に多くなった言及機会に後悔しています。特にマズルカ第24番Op.33-3のリズムが固く、スイングしない3拍子はロボットが踊っているみたいでした。こうして見ると、昨日のテレビ(注1)で見ましたけどブーニンさんてやっぱり超絶に凄かったですね。この方もHyuk Leeさんと同じく変奏曲を弾きましたが、ドン・ジョヴァンニでなくレクイエムのように暗く重かったです。調子が悪かったんじゃないでしょうか。Jakub Kuszlikさんと比べて拍手がすごく長かったのは、良かったからか最後だからか、私は後者と見ました。この方も結果を見ていなかったら↓を付けたと思います。

 

ということで昨日時点では未視聴だった3人がいずれも今ひとつで、三次予選で↑を付けた人(のうちうち、ファイナル進出を決めた人)は、

J J Jun Li Buiさん

Eva Gevorgyanさん

小林愛実さん

の3人で、ワタシ的にはJ J Jun Li Buiさんと小林愛実さんが2トップでした。(名前順)

 

小林愛実さんは、嫁がワルシャワに赴任しているときに、ワルシャワワルシャワ・フィルと共演しています。僅か14歳だったんですけども。現地での人気があるのはそういうこともあると思うんですけどね。彼女が日本大使館のイヴェントに招かれた際に嫁が会った(正確には「見たことがある」程度の関わりですが)という経緯がありまして、ちょっとした思い入れがあります。そんなこともあって前回第17回コンクールで入賞できなかったことを残念に思いながら今回の第18回コンクールを聴いているので、彼女に関してはあまり冷静に分析はできていないと思いますが、それを別としても、ホント三次予選は素晴らしかったと思います。

でも彼女の演奏は、見ちゃダメですね。見ないで音だけ聴く方が冷静に聴くことができます。全身全霊で魂をぶつける彼女の姿を見ると、彼女のドラマに巻き込まれ、一聴衆ではいられなくなります。

私の不滅のリファレンスにも遜色ないと言っていい演奏でした。

ショパン:前奏曲集(SHM-CD)

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彼女は前奏曲を録音しています。

 

今晩からいよいよファイナルですね。また追いかけ視聴になると思いますが、皆さんが至高のコンチェルトを聞かせてくれるだろうと思うと楽しみです。その中で、小林愛実さんが今度こそワルシャワ・フィルと美しいハーモニーを奏でることと、反田恭平さんが彼のショパンの世界を描き切ることを期待したいと思います。

この作品の感動を是非とも今回体験したいぞと。

 

ピアノを弾けもしない者が、世界の最高峰の舞台で鎬を削っている方々に失礼なことを書いてきましたが、振り返ってみると改めて皆さん凄いです。

惜しくも敗退された方ももう1回演奏聴かせてくれる方も、皆さんありがとう。

 

ファイナルのスケジュール(時刻は日本時間表示)

10月18日(日本時間19日)

www.youtube.com

1:00 Kamil Pacholec, Poland

1:40 Hao Rao, China

2:50 Kyohei Sorita, Japan

3:30 Leonora Armellini, Italy

 

10月19日(日本時間20日

1:00 J J Jun Li Bui, Canada

1:40 Alexander Gadjiev , Italy/Slovenia

2:50 Martin Garcia Garcia, Spain

3:30 Eva Gevorgyan, Russia/Armenia

 

10月20日(日本時間21日)

1:00 Aimi Kobayashi, Japan

1:40 Jakub Kuszlik, Poland

2:50 Hyuk Lee, South Korea

3:30 Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada

 

注1:この番組です。

www.nhk.jp