6月12日土曜日は、富士山に登ってきました。山頂まで行ったのは2014年10月以来の随分と久し振りでした。
GW明けからずーっとチャンスを窺っていたのですが、週末の天候不順(雨も回避ですが、譬え快晴でも強風は回避)でここまで延び、この間に大分雪が解けたため、装備は前夜に変更しましたけども。ピッケルと冬用シューズを除外し、アイゼンを12本爪からチェーンスパイクに、ポールをトレッキング用からトレラン用に交換し、ウェアリングもハードシェルからトレランスタイルに変更。大分軽くなりました。
須山ルート
富士山には一般に4本のルートあります。
山梨に1本
静岡に3本
- 上部は吉田ルートと共通だが、下部は静かで樹林帯や小富士等変化に富む須走ルート
- 山頂までご来光は見えないが、最短距離且つ滑り難い岩場が多く日帰りに最適な富士宮ルート
- 圧倒的に低い(新)五合目から距離が長く、滑る砂に体力も奪われるチャレンジングな御殿場ルート
他にこれらに五合目前後で繋がるルートが廃道含めて幾つかあるのですが、私のお気に入りは、嘗て「南口」と呼ばれたクラシックルートで、宝永噴火や陸軍演習場化等で廃道化しながら1,997年に復興した須山ルートです。
- 実際のスタート地点になる一合目水ヶ塚駐車場は、御殿場新五合目とほぼ同じ標高の1,448mにして更に長距離
- 樹林帯〜ハイマツ帯〜宝永火口横を通って富士宮ルートに合流し、下りは大砂走り〜幕岩〜御胎内を経由する、富士山で最も変化に富んだルート(宝永第一火口を横切るプリンスルート(今上天皇が皇太子時代に登られたルート )も使えます)
過去10回の富士登山中、最近3回はここを使っています。(ヤマレコに10回登頂(12回トライ)と書いたが、数え直したら登頂は8回(トライ10回)だった。)
シーズン
開山期間中の富士山は混みます。吉田ルート上部は渋滞し、剣ヶ峰の山頂標柱は写真行列ができます。そしてマイカー規制が掛かり、富士宮ルートのバス乗換場になる水ヶ塚駐車場は有料になります。(御殿場と須走は規制なし)
冬季は、終始暴風が吹き荒れるアイスバーンの急斜面が、私レベルはお呼びじゃありません。
なので、5月中旬から7月上旬、9月上旬から10月上旬の、残雪期〜無雪期のオフシーズンが私の富士登山適期です。
5月はコンディションによっては危険だし、ランニングスタイルでは登れませんが、長い雪渓歩きや大内院への降下ができて楽しいです。
でもお勧めはしません。オフシーズンの富士山は、経験者の山です。日本最高峰は甘くありません。一般のハイカーは、開山期間中にすべきです。
本日の登山
曇ってました。山頂は水平移動距離でざっと10km先です。
駐車場出入口のすぐ向かいから入山します。
古村山修験道の修行場跡です。
須山道三合から樹林帯を抜け、宝永第二火口縁に向かって登り始めると、山頂が見えます。
振り返ると、箱根は中央火山だけ雲の上に出ていました。伊豆半島の海岸線に見える突起は、大室山をはじめとするスコリア丘です。今回初めて気付きました。
宝永火口です。今上天皇は上側第一火口の底から右手にトラバースするルートを使って御殿場ルートから登頂されました。スタート地点の標高が高い富士宮ルートと空いている御殿場ルートのいいとこ取りができるルートですね。御殿場ルートは滑り易い砂なので、途中からでも結構大変ですけども。
割れ目火口跡を通過中です。壁は火口壁。
富士宮山頂まであと1分の地点から雪渓と駿河灘方面を見下ろします。
富士浅間大社奥宮。
山頂は除雪されていましたが、凍結中です。曇っているため思いの外寒いです。多分1〜2℃、風で体感はもっと下。丁度この辺は単なる水溜りに見える「コノシロ池」ができる所です。
雪が繋がっている時期だけ大内院に降りることができます。(夏場はクライミング技術必要。)
大きなつらら。
剣ヶ峰の気象観測所。
Top of the topからのパノラマ。
南アルプス全景。
防寒装備は持参しているのでいざとなれば着れますが、寒いのでさっさと駆け下ります。
シーズン中や作業中は迷惑になるのでやってはいけませんが、ランナーには走り易いブル道が下り定番です。
山中湖を見下ろします。八合目までは寒かったです。
相模灘。
宝永山と双子山は近く見えますが、近くまで行くと結構離れています。
大砂走りです。シューズには小石と砂、目には埃が入り、再三立ち止まります。個人的には、大砂走りは楽より苦です。
大砂走りの途中で道を逸れ、水ヶ塚方面に向かいます。目印の少ない、ガスると危険なルートです。
砂の川。これより下流に「幕岩」があります。
須山道登りは転がっている石が多くて走り難いのですが、下りは走り易い綺麗な区間が長いです。
下山しました。晴れてるよ。。。樹林帯に入った頃から暑くなっていました。
【Runmeterによる走行データ】
スタート: 4時49分
ランタイム: 6時間45分30秒
距離: 23.39km
平均スピード: 3.46km/h
最高スピード: 13.04km/h
登り: 2,445m
降り: 2,433m
消費エネルギー: 1,714kcal
停止検知が切れていてカウントされていませんが、50分(内数)です。
下りは毎回ルートを変えているので比較できませんが、登り3時間50分は3時間切りしている前回より1時間近く遅いです。
久し振りなので高山病を警戒した分もありますが、それを差し引いても遅かったですね。
もう少し登山者寄りの立場で書いた記録です。↓
シューズの退役
富士山は、役目を終えたシューズの最後の活躍の場です。
ビギナーの方は普通にトレッキングシューズ履いた方がいいですが、火山岩がアウトソールをボロボロに削り、何度洗濯しても足が真っ黒になる程砂が入り込むので、富士山にはいいシューズは勿体ないです。
本日のお供は、リーボックが2010年前後に展開したZIGTECHシリーズのZIGSONIC。デザインが気に入って、このカラーを2足履きました。これを履いたIKEA RUNでの1時間43分が私のハーフ自己ベストです。禁止された大会もあった元祖ドーピングシューズですが、今履くと重いしヒールカップのホールドが悪いし、思えば大したことないです。そもそも当時もルックスのインパクトで買ったんだし。
スタート時。
2016年7月村山古道ルートからの富士山で終わる予定が、強風による途中下山で傷まなかったため、捨てずに取ってありました。
ゴール時。最早色違いです。
思い切りすり減り、トウ以外のアウトソールは全部ぶっ飛びました。
因みにこうやって小石が挟まるので、舗装路以外NGなシューズでした。
完璧に終わりました。お別れです。ありがとう。
後にはAdizero Boston BOOST、サロモン XA PRO GTXが控えています。もう少しトレランを頑張るとサロモン FELLRAISERも加わります。嫁から早く捨てろと言われているので、今年もう3回富士山登るかしら。
下山後
翌日にもう一山行けるようトレランレギュラー装備(シューズ、バックパックその他)もGT-Rに積んでありました。体調面に問題なく、特に筋疲労の度が低かったのですが、嫁の待つ家に帰ることにし、14時過ぎ帰宅しました。自宅から2時間圏内が箱根と富士山、午前下山できる山が富士山御殿場or須山と甲斐駒ヶ岳黒戸尾根。富士山は日帰り最強です。
東名高速のストレスは、往路右ルートが工事1車線規制なのと、道譲らせたレクサスが後ろにベタ付けしてくることですかね。前が空いている追越車線で先行車に詰めるのは「走行車線に戻らないと違反ですよ」の親切ですが、自分より速い車が前が詰まって空き待ちしているところに詰めるのは煽りです。
あ、ストレスといえばこれ。
マクドナルド246御殿場店が萩原北交差点のランプウェイ入口にあり、渋滞しています。マクドナルド渋滞自体は仕方ないけど、ここは場所が悪いです。左折(山中湖方面)が渋滞しているのかと思いました。私は右折(箱根・御殿場I.C.方面)なので空いている右寄りに行きましたが、左折だったら行列に入ったと思います。
それで帰宅した後ですが、入浴・ランチの後急に目が痛くなり、その後頭痛と倦怠。因みに熱は平熱。不調は月曜日まで続きました。
目ということは今回初投入のPrizm Trail Torchが悪かったのか、というとまあ確かに樹林帯で足元を注視しながら走るには暗かったのは事実ですが、それが主因ではないでしょう。
- サングラスをしても目に入る埃(火山灰土なのでガラス質)が特にコンタクトをしている目にダメージを与えた
- 現地では高山病にはならなかったが、やはり空気は薄かった
- 山頂で冷えた&寒暖差に負けた(下り2時間の間に25℃くらい上がっている)
- トレーニング不足に23km、±2,400mはやっぱり堪えた
複合要因でしょうね。
「手軽だ」とか言っていますが、やっぱり富士山は手強かった。
お陰で日曜はSK Pininfarina Disk RIDE省略に、火曜朝までランもなし。
トレーニング的には寧ろマイナスでしたな。
今年はキタダケソウが早そうなので山開き前に北岳行きたいと思い、今週50km・±3,000m冬季ルート日帰り山行を目論んでトレーニング意図での連日トレラン43km・±4,800mを想定したのですが、半分で帰ってこの状態なので、自分の体がまだ無理そう。
天気予報もダメそうなので、(去年は行けたけど)今年は見送るか、素直に来週からの夏道開通(バスor乗合タクシー)を待つかですな。でもバスはヤダなあ、怖い。
予想通り、キタダケソウは早く(もう満開でしょう)、稜線も雪無しとのこと。