甘く香るか青いバラ

ロードバイク初心者がディスクロード+EPSを自分で組んだ記録から始めてみる

Why DE ROSA SK Pininfarina Disk ? #6(神は細部に宿る〜均整の美〜)

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【プロセルビナの略奪 ボルゲーゼ美術館http://galleriaborghese.beniculturali.it/it/opera/ratto-di-proserpina)】

写真撮影禁止で手持ちがないため公式サイトから引用しましたが、フェアユースも歓迎しない意図すら感じる、作品のオーラをほぼ完璧に消し去ったある意味スゴい写真です。是非とも他の写真で見てください。

硬い大理石で人体の柔らかさを表現する圧倒的な技巧を示した隙のないdetailから、overallでは神話の物語を劇的に一体の彫刻で描き切った、ローマ行ったら実物を見ずに帰ってはいけない究極の芸術作品の1つ。ファン・デル・ローエだったかが言った「神は細部に宿る」。これです。これのことです。

ベルニーニの至高の彫刻作品。

 

話を戻します。

 

デローザ❤️SK52サイズ+カンパニョーロコンポの方針決定。

ピニンファリーナによるイタリア現代工業デザインの傑作、美しいSK Pininfarinaと美しくアッセンブルされることを基準に主要コンポーネントを考えます。

 

1.グループセット

即決RECORD EPS DB

趣味のものだから小槌を振って出る限りは上位グレード。

元々ディスク前提なのでDB。

DEORE XT&LXのJekyllでも苦痛を感じる疲労時のフロントアウター上げ対策とDIYメンテ性から電動/電子式一択。その方が新しいし。

耐久性からRECORD。スーレコが壊れる話、初心者をビビらすに十分なほど多くないですか?

カンパ以外ほぼ眼中にないのは、DOGMA F10試乗で言及したレバーのフィールが理由でなく、デザインです。色気です。香りです。SKの美しさを更に芳醇にするのがモダンカンパのデザインだからです。標準より直線基調なエルゴパワーも寧ろエアロロードにはフィット。写真では躊躇した4アームクランクも実車では惚れ惚れします。速そうに見えるし。

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【“ツノ”っていないディスク車用エルゴパワー】

 

2.ホイール

数ヶ月前にDBモデルが発売された定番のBORA ONE DB 35ブライトラベルにあっさり決定。ULTRAや50クリンチャーのディスクが出ない(注1)とか多少消極的理由もありましたが、ハイト約23mmのタイヤ込み&車体装着時のデザインで最も均整がとれて美しいと感じたのが35なため。ブライトはペイントとのマッチングと明るい色を注した軽やかさから。

しかもBORA DBだけ前後24本G3組

円、平行線からなる対称美と均整美。リアとフロントでは2×1配置が逆な点も意匠が細かいです。

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【ローター側のスポークが2本になるフロント】

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【ドライブ側スポークが2本になるリア】

DBはブレーキ面がないところもいいですね  (ワンサイズ大きなラベル貼ってくれるともっと明確に差別化できるのですが。)

BORA DBとしての最適化、というか実際にはストッピングパワー対応上ラジアルが組めないとか18本どころか21本も組めないという制約の結果でしょうが、いいんです。だってカッコいいもんね。ホイール起点で検討を始めても多分私はここに行き着きます。

あと初心者の私には 運用を考えるとクリンチャー一択。

 

BORA 50。

要はこれです↓

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【ローマ  サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ教会(http://www.itmap.it/roma/chiesa-di-san-carlo-alle-quattro-fontane-del-borromini/)】(注2)

これです↓

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シチリア  マルトラーナ教会主祭壇(注3)】

 

…。

何言いたいか分かりませんね。

バロックです。

イカツい」と称した人もいますが、50の自己主張は過剰。我が家の用語では、好意的な意味で使うこともありますが、「やり過ぎ」

飾ればロードバイクが付いたホイール、走ればバイクでなくホイールが走っているその姿(注4)。

調和と均整を逸脱(注5)した過剰です。装飾過多です。

単体でこそカッコよく、初めは惹かれたのですが、タイヤを装着して中間サイズのフレームに組むには50mmのリムハイトは高過ぎてフィットしない(あくまでデザインですが)というのが私の結論。

SK、というかSKに限らずカーボンバイクの太いフレームでも、デザインの均整の点からジャストフィットするリムハイトは35mm-40mmではないかなと(注4,5)。

 

うん、50mmハイトホイール車で思い浮かんだのが(否定的な意味での)バロックだったので彫刻やら建築やらを引用したのですが、分かりにくいですね。

大体において最初に挙げたベルニーニもバロックにカテゴライズされています。

古典やルネサンスの延長線上にあってその集大成(と私が決め付けている)ベルニーニと、それらの解体にダイナミズムを見出して「歪んだ真珠」を生み出した(と私が決め付けている)ボッロミーニの作品は同じくバロックと称されていても別物。SKやここで挙げたアッセンブルは私には前者(hit!)、50mmハイトやそれが入ったアッセンブルは後者(deviate)だと感じたと言いたいだけです。

いいんです。美なんてのは感性的認識の世界。理屈こねてますが、理屈で語るものではありません。

私が美しいと思えば美しいんです。(注6)

SK Pininfarina Disk + RECORD EPS DB + BORA ONE 35 DBは、私の中で完璧にフィットしました。

アウトラインは決まり、漸く見積もりへ。

(続く)

  

注1:あるネットショップにBORA ONE DB 50クリンチャー ダークラベルが出ています。当時問い合せたら少量問屋在庫ありとの回答でした。DB用50mmリムは存在しない筈なので、単なる誤りか(写真が35ブライトだし...)、何らかの経緯で入った試作品か、リムブレーキ用のリムで組まれたのか(Jekyllの時代なら専用リムなんてないし)、ブライトが欲しかった私は追求せず終了しましたが、誰か買った人いたら教えてください。

注2:この辺は初イタリアの時に見ていると思いますが、写真探すのが面倒なので引用。「ベルニーニ嫌い!」のネガティヴエネルギーが古典・ルネサンスへのアンチテーゼとして最高の芸術に昇華した奇跡のオリジナル。同じ過剰でもバロックロココと違って重くて暗いのはこのためですね。内陣もすごいです。評価の高低は別として、同時代への影響はルーブルくんだりまで出向いてデザイン書いてやったのに台無しにされたベルニーニよりもボッロミーニの方が上です、絶対。

注3:これの見どころはアラブ・ノルマン様式であって増築部のバロックではないとされていますが、イタリアバロックの宝庫シチリア行ってもジェズ教会にお金を払ってまで入る気がなかった私の手元には、イタリアバロックの内陣写真はあまりないのです。

注4:個人の感想です。

注5:この観点から私には50mm超はないので、デローザさんがオンリー平地ライダーである私にお誂え向きのSK専用80mm BORA ULTRAをご用意下さっても、より空力を向上した新BORAをご用意下さっても、ディスクモデル有無に拘わらず視野に入りません。クロモリバイクなら35mmのBORAも履かないでしょう。Cervelo SシリーズとかTTバイクだと50も印象変わるし、グランツールなどで50を普通に見ているうち慣れるかもしれませんが。尤もTTは私にとって本稿でいうバロックなので、乗ることはないでしょう。

注6:でも何がバロックって、デローザのRevo柄。いやこっちはロココか。