甘く香るか青いバラ

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ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2019 at Suntory Hall

日本・オーストラリア友好150周年です。

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本日はサントリー・ホールでウィーン・フィル。 

 

www.suntory.co.jp

 

ウィーン・フィルと入れ替わりにベルリン・フィルもやってきますが、財布の都合で二者択一。

90年代のクラシック音楽愛好家としては、オーケストラといえば「ウィーンとベルリンが双璧」というのがイメージなのですが、最近は少し水を開けられているらしいです。

でも私はウィーンの方が好き。

 

https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/file/WPH_2019_1115.pdf

↑フライヤーへのリンク

 

レビューです。

 

席は2階中段の正面。

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天下のウィーン・フィル、オケA席で32,000円。。。というのは、チケット代高騰前の90年代初頭の相場を知っている私には、オペラのプライス。

 

今日の指揮者は、今回の来日公演の主戦であり、今年のニューイヤー・コンサートも振っている同楽団/歌劇場管弦楽団と縁の深いクリスティアンティーレマンさん。

ベルリン・ドイツ・オペラとドレスデン・シュターツ・カペレの音楽監督を歴任し、00年からはバイロイトで毎年振っているという、ワーグナー好き、オペラ好きにはど真ん中の筈ですが、私21世紀の指揮者に全く疎いので、実は聴いたことがない。

 

<プログラム>

(第1部)

リヒャルト・シュトラウス交響詩『ドン・フアン』作品20
リヒャルト・シュトラウス:『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』作品28

(第2部)
ヨハン・シュトラウスII世:オペレッタ『こうもり』序曲→オペレッタ『ジプシー男爵』序曲(差替え)
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『神秘な魅力(ディナミーデン)』作品173
リヒャルト・シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』作品59 組曲

(アンコール)

エドゥアルト・シュトラウスポルカ・シュネル『速達郵便』作品259

 

リヒャルトがシュトラウス・ファミリーの一員であると錯覚しそうな、オール・シュトラウス・プログラムでした。

ウィーンの「ばらの騎士」というと、いつまで経っても94年のクライバー来日を聴き逃したのが悔やまれるわけですが、オペラ指揮者ティーレマンさんがどんな風に振るか楽しみ。

「こうもり」序曲がドロップしたのは残念です。「ジプシー男爵」よりこっちの方が好き。アンコールでやってくれる期待もしましたが、ありませんでした。 

 

 

さて、演奏。

同じ中東欧の古豪、先日のワルシャワ・フィルはソリッドな弦に柔らかい管が印象的でした。こちらは、甘過ぎないシャープな甘みを帯びた、しなやかで美しいウィーン・フィルサウンド。鉄板。

ティーレマンさん、指揮者としてはまだまだ若い60歳。颯爽としています。よく動きます。実にアクティヴな指揮姿でした。C・クライバーの如く「踊るような」と形容するには腰と膝をもっと柔らかく動かさないといけないでしょうか。ニューイヤー・コンサートのようなタクトを降らない指揮に本当にオケが反応しているのか勝手に弾いているのか(ウィーン・フィルの十八番ばかりですから)、内側に入ったことのない私はわからないのですけれども。

3管(シュトラウス・ファミリーの曲も管楽器を1枚落としてパーカッションを増やした80人級)の大きな構えで演奏されているので、このコンビでのリリカルな曲の演奏イメージは今ひとつ掴めませんでしたが、ティルの活気もばらの騎士の退廃感も実に素晴らしかったです。

コンサートは熱狂的な拍手に包まれて終了。ティーレマンさんは、オーケストラが退出した後もカーテンコールに出てこられました。最後に退出したのは、何かトラブルがあったのか、ピッコロ奏者(だったと思う)。

 

入場料に込みの無料パンフは、48ページの立派なもの。

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ポジティヴ・サプライズはないかもしれないが、やっぱりウィーン・フィルは裏切らない。

まだ実現していませんが、ティーレマンさん率いるウィーン国立歌劇場の来日公演希望。(ワーグナーがいいな、「神々の黄昏」あたり)