昨日はオペラでした。
昨日は6月15日木曜日です。
演目はジャコモ・プッチーニの「ラ・ボエーム」です。
決して2020年6月18日ではありません。
COVID-19禍は、最も大きな規模になる引越公演であるオペラに多大な影響を及ぼしました。
NBS招聘の2020年ミラノ・スカラ座も、2021年ウィーン国立歌劇場も流れました。
既にチケット販売済だった2020年6月パレルモ・マッシモ劇場は、21年に、22年に、そして23年に三度延期となり、今回遂に来日なりました。
ヴェルディのナブッコを買ったつもりが、公演予定のプロダクションは2019-2020シーズンまでで、2020年12月プレミアのラ・ボエームに変わったと。
初期ヴェルディの旋律燃え上がるオペラを聴く筈だったんですけどね。まさかの、正直そんなに好みじゃないプッチーニなんですけども。
ではありますが、プリマ・ドンナのミミには当代随一のソプラノ、アンジェラ・ゲオルギューさん。そしてロドルフォは今は当代1のリリック・テノールとされるヴィットリオ・グリゴーロさんと、歌手はグレードアップ感があります。
で、チケットですが、コンサートドアーズから以下のように案内されていまして。
2023年6月パレルモ・マッシモ劇場の日本公演に先立ち、ご案内がございます。
当初2020年6月に予定されていた「パレルモ・マッシモ劇場来日ツアー」は、コロナウイルス等の影響により、計3度の延期を経て2023年6月に実施予定となっております。
2019年~2020年に販売した下記2020公演チケットをお持ちのお客様は下記2023公演に手続きなしで振替チケットとしてご使用いただけます。
(同じ週の同じ曜日の該当公演へ振替となります。)
該当チケットをお持ちのお客様は、日付を間違えることのないようよくお確かめの上ご来場くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。2020/6/18(木)18:30〜東京文化会館「ナブッコ」
→ 2023/6/15(木)18:30〜東京文化会館 「ラ・ボエーム」
その間に色々コストが上がり、チケットが大分値上がりしました。とは言え大半のチケットは初めの方で売れたでしょうから、コンサートドアーズの本公演の収支は赤字じゃないかしら。
東京文化会館です。
かなり久し振りです。1コ前は何だったかな。オペラの筈だけど調べないと分かりません。
4階席です。端も端、ピアノなら超一流のS席が取れる価格ですが、驚くのはもっと下のC席、D席があること。5階席が一番遠いのですが、どこがCでどこがDなんでしょうか。
第3の規模を誇るというマッシモ劇場に限らず、ヨーロッパの劇場は、座席階層が高いなら高いで天井画が近くてよく見えて豪華な内装を一望できるメリットがありますが、日本の劇場ではその辺も期待できません。
まあ今回の選択で重視したのはコストです。
さて、初めて聴くマッシモ劇場。
パレルモに旅行行った時は、中には入っていません。演奏も聴いていません。
座席は1階にも空席チラホラ、2階以上もまとまった空席があったりして入り具合は些か寂しかったです。都合3年もの延期となれば悠長に待てずに払い戻した人も多かろうし、2度目の延期になった昨年は同時期に代替イヴェントとしてゲオルギューさんとドミンゴさんのプレミアムコンサートっていう特別公演があり、そっちで清算した人も多かったのかなと。
それで「ラ・ボエーム」。
有名な作品ではありますが、ヴェルディ以上に脚本が悪いので、ストーリー・プレーだと思って作品世界の登場人物たちに感情移入しようと思っても無理です。そういう作品だと思いながら聴かないといけないと思います。まあ作品群と呼べるだけの数を残した作曲家で読むに堪える作品を書いたのはワーグナーとモーツァルトR・シュトラウスくらいしかいない訳ですが。
しかし舞台。楽曲に作品としての魅力が乏しくとも、一番大きな声援を浴びたグリゴーロさんをはじめとして、主役級から合唱まで歌手陣は皆達者です。フランチェスコ・イヴァン・チャンパさん率いるオーケストラも、格別に秀でたという感じではありませんでしたが、緻密なアンサンブルを歌わせて歌唱に寄り添った見事な演奏でした。
カーテンコールでも、ゲオルギューさんはじめ、長く、沢山手を振ってくださって、長〜く待った日本のファンへの感謝の気持ちをすごく感じられました。
ああ、やっぱりイタリアのオペラハウスは素晴らしい。
第3幕と第4幕の幕間で、金管、トランペットだと思いますが、トラブルあって15分程休憩時間が伸びました。何か落とし物かなと思って眺めていたのですが、譜面灯の漏電(で点かなかったのかな?)だったそうです。
パンフレットは44ページ、2,000円。
あとはNBS招聘で9月にローマ歌劇場、コンサートドアーズ招聘で11月にボローニャ歌劇場がありますが、パレルモとローマは「椿姫」、ローマとボローニャは「トスカ」で被ります。
私としては、作品でボローニャの「ノルマ」にだけは惹かれるものがあったのですが、嫁には全く刺さらずに却下されたので、全部見送り。チケット高いしね。
でも2021年予定が中止になったウィーン国立歌劇場の「ばらの騎士」は、94年クライバーさん(今思えばS席65,000円は安い)を聴き逃したリヴェンジマッチでもあったので、高くても聴きたかったなあ。